8種目のストレッチの“正解”を解説。
前回は“シックスパックの作り方”という講義で多くの読者たちが集った、〈スポル品川大井町〉で開催する体験型イベント「Tarzanフィットネス大学」。
ストレッチをテーマとした今回のイベントでも多くの読者からの応募が集まった。講義タイトルはズバリ、“間違いだらけのストレッチ”。
スポーツやトレーニングをする習慣がある人はもちろん、硬くなった筋肉をほぐしてくれるストレッチは、どんな人にもおすすめだ。しかしその一方で、ちゃんとしたフォームで実践できている人は意外と少ない。
そこで『ターザン』お馴染みのトレーナー坂詰真二さんに、特に間違いやすいストレッチと、その正しいやり方を教えてもらおうというわけだ。
この日は平日だったが、開場時間の18時半から参加者たちが続々と会場に到着。講義スタートまでの間に、既に自らストレッチする『ターザン』読者もちらほら。
19時。「ずっと座っているのも辛いでしょうから、早速始めます!」と登場するやいなや、坂詰トレーナーの指導が始まった。40分間の講義で取り上げられたストレッチは、体前屈やプレッツェルなど全8種類。「まずはいつも通りにやってみてください」と呼びかけ、一人ひとりに手取り足取り指導をしていくことに。
長座体前屈では足首と背すじを伸ばす。
定番のストレッチにも“間違い”は多々ある。たとえば長座体前屈。人間のカラダの中でも硬くなりやすい臀部(大臀筋)や腿裏(ハムストリングス)を伸ばす、基本のキとも言える種目。そんな体前屈で多く見られる間違いは、足の指先をつかんで足首を曲げたまま前屈すること。
「足首を曲げるのは実は間違い。足首を伸ばしたままくふくらはぎを持って引き寄せて、お尻を軸にゆっくり前屈しましょう。足首を曲げた時よりも尻から腿裏にかけて伸びているはずです」(坂詰さん)
顎を引かずに、まっすぐ背すじを伸ばして行うのもポイントだという。
「ただ単に手足を遠くへ伸ばせば良いのではなく、正しいフォームを意識する。これはどんなストレッチにも共通して重要なことです」(坂詰さん)
肩のストレッチは下から上に引く。
またPC作業の合間にやる人も多いであろう、肩(三角筋)のストレッチ。片腕を伸ばし反対の腕で自分の方へ引き寄せることで、肩の強張りをほどく気持ちのいい種目だ。
このストレッチでうっかりやりがちなのが、腕の力で引き寄せてしまうこと。
「腕の重さを支えている三角筋は、腕を水平に引き寄せるのではなく、下からすくい上げることで伸ばせます。手の平を上に向けたまま腕を伸ばし、反対側の肘を使って下から上に引き上げてみてください」(坂詰さん)
このとき、肘から下の前腕部でなく、肘から上の上腕部を抱えるようにして引き上げるのもポイント。前腕部を抱えると肘が曲がらないよう腕全体に力が入ってしまい、筋肉が伸びにくくなる。
「腕を胸の前で十字にする方法はストレッチの代表的なポーズで見栄えも良いのですが、実は効かないストレッチの典型と言えます。ストレッチって実はかっこいい姿勢でやるよりも、かっこよくない姿勢でやった方が筋肉を伸ばしやすくなるケースが多いんです」(坂詰さん)
やり方を少し変えるだけで気持ち良さや伸びる筋肉が変わってくる。正しいストレッチを実践するうちに、参加者の緊張もみるみるほぐれていき、場内は実に和やかなムードに。
講義後半には〈インフィ〉の最新ギアが登場。
坂詰さん直伝のストレッチでカラダをじっくりとゆるめた後は、ギアを活用したストレッチ方法も紹介された。後半の特別講師を務めるのは、ストレッチギアの人気ブランド〈インフィ〉を手がけるジュートの森平茂生さん。
教えてもらったのは、独自構造の凹凸により全身をほぐすことができる〈リリーススティック〉や、直径13cmのストレッチボール〈スパイラルボール〉を使った筋膜リリースのやり方だ。
前半とは違うアプローチで一心にストレッチに取り組む参加者たち。「筋膜リリースって痛くないんですね」「すごく気持ちよかった〜」と満足する声も。前後半を合わせて計90分。全身くまなく伸ばしきった参加者たちは、会場を後にする姿も実に軽やかだった。
次回の「Tarzanフィットネス大学」は10月23日(水)開催で、筋トレの講義を実施予定! 開催の予定は「Tarzanメールマガジン」のほか、9月26日発売の雑誌『ターザン』(773号)、「Tarzan Web」で告知を行っていくので、ご期待ください!