Vol.8 仕事で理不尽な掌返しが多く、疲れ切っています【超回復相談室】

他人とは共有できない極私的な悩み。でも、できれば現状を元のレベルに回復させたい。可能であればベターな状態までもっていきたい。その道の第一人者が多種多様なお悩みに答える「超回復相談室」をここに開設!

取材・文/石飛カノ イラストレーション/死後くん

(初出『Tarzan』No.774・2019年10月10日発売)

Q:仕事で理不尽な掌返しが多く、疲れ切っています。(ウェブディレクター・30代男性)

修正という名の掌返しでゼロからやり直しするハメになることがままあり、悔しくて夜中にガバッと起きてしまいます。冷静に対処しようと努めても、作業を依頼するチームから反発されて、予定外のやりとりで疲弊し大事な打ち合わせに遅刻することも。悪循環のストレスから逃れる手立てはないでしょうか?

A:相手の接続詞に注意して、同情するくらいのつもりで対応。

話をするときに、相手が使う接続詞の種類を見てください。「しかし」「でも」といった逆接の接続詞が多いか、「だから」「そして」など順接の接続詞が多いか。前者は第一提案を与えても必ず「でも」と言うので、先に第二提案を出して文句が出たら第一提案をアレンジして出す作戦を取る。

後者ならストレートに第一提案の優れた点をアピールすればいいでしょう。(回答・脳科学者 篠原菊紀さん)


掌返しの要求をしてくる人は上司から同じ要求をされている可能性があります。職場や家庭で虐げられている人ほどクラッシャーになりやすいので、可哀想なヤツと同情するくらいのつもりで対応を。(回答・精神科医・労働衛生コンサルタント吉野聡さん)

教えてくれたひと
篠原菊紀
篠原菊紀(しのはら・きくのり)/諏訪東京理科大学工学部情報工学部教授。専門は応用健康科学、脳神経科学。「学習」「運動」「遊び」など日常的な場面での脳活動を研究。メディア出演も多く、著書多数。
吉野聡
吉野 聡(よしの・さとし)/精神科医・労働衛生コンサルタント。自身のクリニックでの診療の他、さまざまな職場環境での予防的メンタルヘルス活動に取り組む。