ランナーが摂るべき栄養素を知る。
痩せるには、運動による消費カロリーと食事からの摂取カロリーのエネルギー収支を赤字にするべき。走って消費するカロリー以上に食べすぎていたら、永遠に痩せられない。
だから過食は戒めるべきだが、食事を抑えすぎて必須の栄養素が摂れないのはNG。栄養が足りないと痩せランの効果が落ちたり、走りのパフォーマンスがダウンしたりする恐れもある。ランナーがとくに不足に気を付けたい栄養素には、タンパク質、鉄、ビタミンC、EPA(エイコサペンタエン酸)がある。
タンパク質は筋肉の原料。筋肉のタンパク質は運動で分解されやすいので、肉類、魚介類、卵、大豆・大豆製品、牛乳・乳製品の5大タンパク源から上手に補いたい。筋肉が減ると代謝が落ち、痩せにくくなる。
鉄は、血中で酸素を運ぶ赤血球の核となるヘモグロビンの原料。酸素で体脂肪を燃やしながら走るランナーが欠かしてはならないミネラルだ。
走ると着地時に足裏でヘモグロビンが壊れる溶血性貧血が起こりやすい。さらに月経がある女性は潜在的な鉄欠乏リスクがある。レバー、魚介類、大豆、ヒジキなどから摂ろう。
ビタミンCはタンパク質の合成を助けて、鉄の吸収をアシストする。この他、運動で生じる有害な活性酸素を除去する抗酸化作用がある。パプリカやブロッコリーといった緑黄色野菜、キウイフルーツやアセロラなどの果物などに豊富に含まれる。
EPAはアジやイワシなどの青魚に含まれる魚油の成分。体内で必要量を満たせないため、食事から摂るべき必須脂肪酸の一種である。
EPAは赤血球の膜の成分となり、その柔軟性を高めて血液循環を促してくれる。すると筋肉に酸素が行き渡り、痩せランがより快適になる。
中野式「1日14品目法」で食生活を簡単に整える。
減量で栄養バランスが大切なのは常識だが、その実現は難しい。この難題を解決するのが、中野さんが食事指導に用いる「1日14品目法」。
1日14品目法は極めてシンプル。穀類、肉類、魚介類、豆・豆製品、卵、牛乳・乳製品、緑黄色野菜、淡色野菜、きのこ類、海藻類、イモ類、果物、油脂類、嗜好品(お酒とお菓子)という14品目を、1日に1回ずつ食べるという方法である。
例外はご飯やパンなどの穀類と野菜。穀類はエネルギーとなる糖質を含むから、3食毎回食べる。野菜は低カロリーなのにビタミンなどの栄養素がリッチだから、緑黄色野菜と淡色野菜は1回以上食べてもいい。
以上のルールを守ると、カロリー計算をしなくても摂取カロリーが抑えられるし、栄養バランスも整う。
14品目法の進め方は次の通り。
朝食にライ麦パン、ハムエッグ+ミニトマト、ヨーグルト+カットフルーツを食べるとする。これで穀類、卵、肉類、緑黄色野菜、果物、牛乳・乳製品の6品目が摂れた。
昼食では、朝食で食べなかった品目を優先。和定食店で、玄米ご飯、焼き魚、ポテトサラダ、ナメコの味噌汁の定食をオーダーする。穀類以外に魚介類、イモ類、油脂類(ポテサラのマヨネーズ。油をたくさん使う揚げ物もこのカテゴリー)、きのこ類という4品目が追加される。
夕飯は夕方のスーパーで太巻き、冷や奴、白菜の浅漬け、海藻サラダを買い求め、日本酒を軽く飲めば、豆・豆製品、淡色野菜、海藻類、嗜好品という残り4品目が追加されて、14品目がオールクリアできる。
ちなみに嗜好品は余計に思えるが、飲みすぎ&食べすぎさえ避けたら、心の栄養となって食卓を彩り、減量時のストレスを軽くしてくれる。
- 穀物・ご飯 、パン、麺類 など
- 豆、豆製品・茹で大豆 ・豆腐 、納豆 ・豆乳 など
- 淡色野菜・キャベツ 、レタス 、タマネギ、大根 ・白菜 など
- 油脂類・植物油 、バター、マヨネーズ、揚げ物 など
- 海藻類・ワカメ 、昆布、ヒジキ ・海苔 など
- 魚介類・青魚 、マグロ 、カツオ ・牡蠣 、鮭 ・鮎 など
- イモ類・ジャガイモ、サツマイモ 、サトイモ など
- 嗜好品・お菓子、アルコール飲料
- きのこ類・椎茸 、舞茸、シメジ、エノキタケ など
- 果物・ミカン 、リンゴ、キウイフルーツ、柿 など
- 緑黄色野菜・トマト 、ニンジン、ブロッコリー、ホウレンソウ など
- 肉類・牛肉 、豚肉、鶏肉 、加工品など
- 牛乳・乳製品、牛乳 、ヨーグルト、チーズ
- 卵・鶏卵