「このヘッドギアを被ると、スイッチが入ります」(ラグビー選手・ピーター・ラブスカフニ)
text:Kai Tokuhara photo:Takahiro Idenoshita illustration:Shinji Abe
初出『Tarzan』No.780・2020年1月23日発売
昨年のラグビーワールドカップにおけるMVP級の活躍が記憶に色濃く残るピーター・ラブスカフニ選手。ファンやチームメイトから“ラピース”の愛称で親しまれる30歳のフランカー。人一倍、献身性の高い彼のプレーを支えているのがラグビー特有のアイテムであるヘッドギアだ。
「試合中のヘッドギアの有無は選手個々の自由ですし、実のところポジションもあまり関係ないのですが、私自身はフランカーの特性上ハードにカラダを張るプレーが多いので脳震盪防止のために昔から使うことが多いです。
だから装着すると、おのずと試合に向けてある種のスイッチが入る感じがするというか、気分がぐっと高揚しますね。
特にこの〈カンタベリー〉のものはフィット感が抜群に良く、タフで長持ちもするので気に入っています。ただ、稀に、何度も洗濯してサイズが少し縮んだものを誤って試合に持っていってしまい、ロッカールームで装着した瞬間に“うわ、しまった”ということはありますけれど(笑)」
そんな〈カンタベリー〉のヘッドギアは、今やラピース選手の象徴と言っても過言ではないほどアイコニックなアイテムに。彼自身も、ラグビー選手としてのキャリアのターニングポイントを共に過ごしたパートナーとしてこう愛着を抱いている。
「ロシア戦のファーストトライから始まり、あのワールドカップの全ての試合で身に着けてプレーしましたので、私の人生随一のすばらしい経験と思い出が詰まったヘッドギアになってくれました」