「小さい私が重量挙げを続けられるのは、この3点のおかげ」重量挙げ選手・八木かなえ

text: Kai Tokuhara photo: Yuichi Sugita illustration: Shinji Abe

初出『Tarzan』No.796・2020年9月24日発売

キュートな笑顔でバーベルを力強く上げるひたむきな姿が五輪ファンを魅了。ウエイトリフティング界のヒロイン・八木かなえ選手が「絶対に欠かせない!」と語るのが、この“3点セット”だ。

重量挙げ選手・八木かなえ
伸縮性とコンプレッション機能に優れた〈ミズノ〉のウェアは滑らかな素材感がバーベルを上げる時の摩擦も軽減。〈アディダス〉のシューズはウエイトリフティング用の《POWERLIFT 3.1》。ビーズで名前を刺繡したバンデージは、このイエローの他、試合ではピンクを使うことが多いとか。

「長く競技を続けていられるのもギアのおかげ。本当に助けられている部分が大きいです。まず試合用ユニフォームですが、特に下半身の締め付けが強くてカラダにピタッとフィットしてくれるので、着るといよいよ試合だなという緊張感が生まれ、心身ともに力がみなぎる感じがします。

またシューズはソールに安定感があって小さく細い私の足でも力が床に伝わりやすく、踵が少し高くなっているので深く座り込みやすくもあります。何よりピンクと白の配色が可愛いところもお気に入りです(笑)」

重量挙げ選手・八木かなえ
八木かなえ(やぎ・かなえ)/1992年、兵庫県生まれ。体操を経て高校から重量挙げを始め、2009年に日本代表として世界選手権デビュー。ロンドン五輪の女子53kg級で12位、リオ五輪では同級6位。ALSOK所属。

そしてバンデージ。手首を固定してバーベルの持ち手のブレを防ぎ、重量負荷を軽減させるためのアイテムに、さりげなく彼女らしいこだわりを投影している。

「もともと大好きなキラキラした文字で自分の名前を入れました。試合でも練習でも、ウエイトリフティングと向き合う時には、目立ちすぎず、自分らしいものを身に着けることでモチベーションが上がるんです」

なお、コロナの影響で八木選手も今後の試合の見通しはまだ立っていないが、そんななかでもポジティブな変化があったとか。

「これまでは次々と試合があるなかで結果に対して焦ることもありましたが、今年は初心に帰ってウエイトリフティングの楽しさを再確認できていると感じています」