問1. 股関節における「矢状面」のエクササイズに該当するものを選べ
- サイドランジ
- ニーリフト
- アブダクション
矢状面(しじょうめん)に沿った関節の動きといえば、「屈曲」と「伸展」。下半身でこれらの動きを生み出す関節は、股関節、膝関節、足関節がある。ここでは股関節の動きを詳しく見ていこう。
股関節の「屈曲」は、太腿の前面と腹部を近づける動作であり、反対に「伸展」とは腹部から太腿を遠ざける動作を指す。
選択肢のうち、1のサイドランジは“伸脚”の動きを左右交互に繰り返し内腿を刺激するエクササイズ。3のアブダクションは床に横向きに寝て、上側の脚を上げることでお尻の外側を鍛えるエクササイズ。いずれも前額面の動きになる。
よって質問の答えは、“腿上げ”の動作にあたる、2のニーリフトが正解。
問2. 膝関節の参考可動域は0度から何度?
- 90度
- 110度
- 130度
関節の可動域は年齢や性別、肢位、個体による変動が大きいため、正常値ではなく「参考可動域」として表記されることが多い。
膝関節の場合、伸展における参考可動域は0度。屈曲の参考可動域角度は130度とされている。参考可動域を一つの目安として把握しておくことで、関節の拘縮が起きているか、筋肉の正常な硬さが保たれているかといったカラダの状態を評価することができる。
ちなみに、股関節の屈曲・伸展における参考可動域は15度〜125度(骨盤と脊柱を固定。屈曲は仰臥位かつ膝屈曲位、伸展は伏臥位かつ膝伸展位で測定)。足関節の参考可動域は20度〜45度(膝関節屈曲位で測定)。
問3. 爪先立ちの動作は、次のうちどちらの動きに当てはまる?
- 背屈
- 底屈
足関節は距腿(きょたい)関節と距骨下(きょこつか)関節と呼ばれる2つの関節が複雑な運動を可能にしている。このうち、距腿関節で起こる運動が、矢状面の動きにあたる爪先の上げ下げだ。
以前はこの動きも屈曲・伸展と表記されていたが、日本整形外科学会および日本リハビリテーション医学会が2022年4月に関節可動域表示ならびに測定方法を改訂。爪先を上げる動作(これを足背への動きという)を「背屈(はいくつ)」、爪先を下げる動作(足底への動き)を「底屈(ていくつ)」とし、屈曲と伸展は今後使用しないこととした。
ただし足の指(拇趾・趾)に関しては引き続き屈曲・伸展が用いられる。