ヨガピラでペダリング改善。自転車ロードレース・山本大喜さんのトレーニング

2023年6月の全日本選手権で優勝を果たした山本大喜選手。その練習にはウェイトやチューブによる筋力トレーニングやヨガ・ピラティスも取り入れているという。

取材・文/黒田創 撮影/石原敦志

初出『Tarzan』No.861・2023年7月20日発売

脚・尻トレ 山本大喜JCL TEAM UKYO 自転車ロードレース選手

「ダンシング」で培われた尻がパワーの源

2023年6月の全日本選手権で優勝を果たした注目株の山本大喜選手。見事なまでの細マッチョ体型に、張りのある下半身。この理想的ボディはいかにして作られるのだろう。

「1日の練習距離は120~150km。時間にして4~5時間程度。これを3日続けて1日休むのが普段のルーティーンです。自分は坂が好きで、ダンシングという立ち漕ぎのような漕ぎ方で1日2000~3000mぐらい上るのですが、上半身とともに尻の筋肉をかなり使うので、強化に繫がっていると思います」

脚・尻トレ 山本大喜JCL TEAM UKYO 自転車ロードレース選手

脚・尻トレ 山本大喜JCL TEAM UKYO 自転車ロードレース選手

キュッと上がった山本選手の尻とハムストリングス。自転車選手はケガの治療やマッサージのしやすさを重視して脚の毛を剃るため一段と輝いて見える。

足腰と体幹を強化してスピードとスタミナを養うのはロードレーサーの基本。

有酸素運動ばかりだと筋肉が削られるため、オフシーズンはデッドリフトを中心としたウェイトトレーニングを念入りに行い、シーズン中もチューブトレーニングで筋肉量を減らさないよう意識している。

さらに山本選手は、ヨガやピラティスも取り入れている。

「おかげで全身を連動させる意識が高まり、細かい筋肉が使えるようになったし、ペダリングで左右にブレる癖も改善できるようになりました。筋肉を鍛えるだけではなく整えることでライドが安定し、故障を防ぐ意味合いもあります」

シーズン中は体重63kg、体脂肪率は10%が基準値。上り坂が多いコースの場合は少し絞るなど、レースによってコントロールするという。

食事面はどうなのか。

「毎日150km漕ぐと約2000~3000キロカロリーは消費してしまう。かなりの量を食べないと体重をキープできないので、基本的に何でも気にせず食べていますね。自転車は老若男女問わず関節に負荷をかけずに心肺機能や下半身を鍛えられる稀有なスポーツ。皆さんもぜひ!」