選手の技術力を最大限引き出したい
“高速水着”を覚えているか。2008年の北京五輪に登場し、水の抵抗を極限まで抑え込む構造により着用者が多数の世界記録を更新。「選手の実力が測れない」との批判から、大会後、着用できる水着に厳格なルールが定められた。
「従来のノウハウが通用しなくなり、2010年代は各ブランドが暗中模索した時代です」とは〈アリーナ〉商品企画の橋本一也さん。パターンや生地を開発し続け、効率的なキックをサポートする《アクアフォース ストーム》を今年お披露目した。
〈アリーナ〉の《アクアフォース ストーム》
独自開発した“ねじり構造”のパターンにより股関節の内旋をサポートし、効率のよいキックに繫げる。カラダの動かしやすさに着目した“CP”と、キックのサポート力をとことん重視した“FP”の2種類から選ぶことができる。
〈スピード〉は日本人がパフォーマンスを発揮しやすい設計を研究し、国内の職人が一つずつ生産した《レーザー・レーサー ピュアグリント》を発表。
「最近は選手の技術向上で高速水着時代の記録が破られてきて。僕らはそのサポートをしたいです」とPRの白石勝大さん。選手と共闘する水着にも注目だ。
〈スピード〉の《レーザー・レーサーピュアグリント》
縫い目が生まれない超音波縫合により、流水抵抗を削減。柔らかな生地と日本人体型に合わせたパターンにより、ストレスのない着心地を実現している。00年代の《レーザー・レーサー》は着用に1時間かかったが、これは5分ほど。