ウチサカさんのトレイル案内。山梨県[富士山樹海]

トレイルランニングのシーンを黎明期から取材してきたレジェンドエディター・内坂庸夫さんが、さまざまなトレイルをランナーの視点で紹介。コースのGPSデータも公開中!

取材・文/内坂庸夫 撮影/石原敦志 トレイルランナー/山下晃和

初出『Tarzan』No.890・2024年10月24日発売

ウチサカさんのトレイル案内。山梨県[富士山樹海]

富士山樹海トレイル。

美しき富士山。霊峰の周辺にはたくさんのトレイルがあります。「初心者向きのトレイルは?」というのなら、山の北側、山梨県の西湖から本栖湖にかけての青木ヶ原樹海がいちばんでしょう。

路面は土、砂、石とさまざまに変化して、トレイルの両側には圧倒的な迫力の苔むした溶岩と倒木がずらずらずら。コースはきちんと整備され、しかもどフラット、アップダウンがまったくないんですから、楽しいのなんの、どこまででも走ってしまいます。

富士山樹海トレイル

樹海トレイルは走りやすいけれど、どこも溶岩と苔で同じような風景。現在位置を確認しにくいのでGPSはもちろん紙地図や登山アプリは必須です。

でね、大事なことなんだけど、このトレイルは樹海というだけに深い森の中を進みます、なので富士山を望むことはできません。「こんな近くなのに」、お姿を拝みたいじゃないですか、高みに上がらねば。

なので今回のコースは「どどんの富士山とすいすい樹海」です。まずは三湖台(1203m)に上がりましょう、ほうら富士山が真っ正面です。そして樹海に下りて氷穴、風穴、野鳥の森など、ぐるりとトレイルをつないで1周およそ13km。誰もが気に入ると思うな。

さて、そこは富士河口湖町西湖、トレイルへのアクセスはどうしましょう? クルマなら西湖南体育館の駐車場をスタート・フィニッシュに。高速バス利用なら河口湖駅から周遊バスを使って「富岳風穴バス停」を起点終点にするのが賢明です。

さあ行くよ。ここでは南体育館駐車場を基点に走り出します、GPSを用意ください。体育館横のちょっとした集落を抜けるとすぐに三湖台への上り口です。標高グラフの通りの急坂だけど、ここだけですから。

下から30分ほどで三湖台のてっぺん。大きな富士山が出迎えてくれます、そして足元には西湖、本栖湖、精進湖の3つ、そしてこれから走り行く樹海がわーっと広がっています。

三湖台の山頂広場広場からの富士山

富士山が待ってる三湖台の山頂広場、今回のコースの最高地点。ここを下ると走りまくりの樹海が待っています。

西に進んで紅葉台(レストハウスがあります)から下りです、ばんばん走って139号の真下を抜けると「鳴沢氷穴」、もうここらは溶岩と苔、樹海感たっぷり。次に「富岳風穴」です。駐車場前の139号を横断して再びトレイルへ、次は西湖野鳥の森公園を目ざします。いくつか分岐があるのでGPSを確認しつつで。

広い広い芝生があらわれたらそこが西湖野鳥の森公園、ここらでちょっとひと休みしましょうか、ここにはトイレや自販機があります。

公園から再び樹海トレイルに戻って、基点とした南体育館Pを目ざしましょう。終盤の樹海トレイルも、まっすぐだったりうねっていたり、飽きません。県道710号を横断したら、その先がフィニッシュです。

コースマップ

[富士山樹海]トレイル  マップ西湖周遊バス、本栖湖周遊バスのどちらも「富岳風穴バス停」に停まるので、バス利用ならここを基点に、コース後半に三湖台に上がることになりますけど。1周およそ13km、4時間ちょっと。夕暮れが早くなりました、スタート時刻を早めに、ヘッデンも忘れずに。[富士山樹海]トレイル  高低差

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GPSデータは「.gpx」形式です。GPS時計各ブランドのアプリで読み込めます。GPS時計がなくてもスマートフォンの地図アプリを使ってダウンロードできるし、「グーグルマップ」を開いて「マイマップ」に取り込むこともできます。また、「.gpx」形式はMacアプリの「トレイルノート」で開いて編集することができます。

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