
デンバーの山中から発掘! おそらく日本で唯一現役な、左ハンドルのスバルの名車。
いくらクルマ好きがこぞって集まる「大黒埠頭PA」といえど、ここまで目立つ一台もなかなかないんじゃないか? 誰もが二度見、いや三度見せざるを得ないこのクルマは、1984年式のスバル GLワゴン。
日本名はレオーネ ツーリング ワゴンの北米仕様車だ。そんな珍しき一台のハンドルを握るのは、クルマの輸入業を営む金子真司さんである。
「たぶん日本には一台しかないんじゃないでしょうか。4年前、スバルのショールームで一目惚れして以来、ずっと探していた幻の個体。もう無理かなと思いきや、2020年にデンバーの山中に眠っていた一台を発見しまして。昨年末にようやく手元に届いた一台なんです」

購入当初は、燃料タンクの蓋がガバガバ。アメリカ在住の知人が奇跡的にパーツを発見し、なんとか閉まるように。
まさに粘り勝ちで手に入れたGLワゴンだが、当初は今よりもシンプルなホワイトカラー。
「本来のGLワゴンは、今よりもずっと素朴な北米仕様カー。でも、アメリカでは、こういう日本の旧車の人気が高く、カリフォルニアでは毎年『ジャパニーズ クラシックカー ショー』と呼ばれるイベントが開催されるほど。思い出作りに、と輸入前に出品してみたら、なんと特別賞を頂くことになりまして」
思いがけない嬉しいサプライズを手土産に、華々しく凱旋帰国することになったのだ。
「この派手なルックスになったのは、実は最近。ある時、昔のカタログをぱらぱらと捲っていたら、アメリカスキー代表のオフィシャルカーが載っていたんです。おっ、かっこいいな、と思い、何気なくeBayで“US SKI TEAM”と検索すると、まさに同じデカールセットが出品されていたんですよ」
出合いは続けて突然に。早速アメリカから取り寄せたデカールを奥さんと二人でカスタムチューン。
「ご覧の通り、いい出来栄えになったので、今度は『ヨコハマホットロッドカスタムショー』に出品してみたら、またもや賞を受賞させていただいて。本当に嬉しい限りです」ただ、“スキー”とデカデカと書かれるが、実はまだスキーは未経験。「今年はスキーに行くつもり(笑)。やっぱり雪山が似合う旧車なので」
SUBARU GL WAGON
- 全長4,280×全幅1,620×全高1,410mm
- エンジン=1,800cc、水平対向ターボ付きエンジン
Owner
金子真司(自動車ディーラー)
1973年、東京都生まれ。保険代理店で働く傍ら、アメリカから左ハンドルの日本車とメルセデス・ベンツを輸入する。スバル好きで、2017年式のCROSSTREKも所有する。