入浴前に見直しを!公共温泉のNG行動。
「ちょっとどうなの?」と人に指摘する前に自問自答。意外と複雑な温泉のルール、きちんと説明できるほど、自分自身は理解できているだろうか?一般的な入浴ルールと、それらが存在する理由について解説。
取材・文/石飛カノ イラストレーション/Motiejus Vaura 取材協力・監修/早坂信哉(東京都市大学人間科学部教授、医師)
初出『Tarzan』No.913・2025年11月6日発売

教えてくれた人
早坂信哉(はやさか・しんや)/東京都市大学人間科学部教授、医師。温泉療法専門医、博士。日本健康開発財団温泉医科学研究所所長。メディア出演や書籍などを通じて温泉や入浴に関する健康効果を広く発信している。
1.勝手にお湯を薄める。

湯温によって自律神経に与える影響は異なる。よって湯治目的で入浴している人はその湯温目当てという場合も。実際、浴槽ごとに湯温が設定されている湯治場もある。熱いからといって自分勝手に水で薄めてはいけない。
2.いきなり浴槽に入る。
いきなり浴槽に入るのは最悪のNG行動。まず浴槽の湯やシャワーでカラダの表面の汚れを落としてから湯船に浸かること。とくに局部などは念入りに洗ってから浴槽に入るのがマナー。人にやられてイヤなことは自分もやらない。
3.浴槽のへりに座る。

浴槽の縁にお尻を乗せてひと休み。よくある光景だが、浴槽の縁は湯船に浸かっている人が頭をもたれかける場所でもある。そこにお尻や局部をぺったりくっつけることは避けたい。
4.スマホを持ち込む。

「浴室内にスマホ持ち込み禁止」と掲示されている場合はもちろん、そうでなくてもスマホを温泉に持ち込むことはあまりお薦めできない。というのは盗撮目的と捉えられるため。その気はなくても他の利用者とのトラブルを招きやすい。
5.湯口から浴槽に入る。
新鮮な温泉が湯口からドバドバ浴槽に注ぎ込まれ、溢れた湯はそのまま惜しげもなく流されていく。これが掛け流し温泉の醍醐味。湯口を経由して浴槽に浸かると、せっかくの新鮮な温泉が勿体無い。「温泉はみんなのもの」と心得たい。
6.石鹼、シャンプーを持ち込む。

絶対NGというわけではないが、施設によっては湯の質を守るため浴室に石鹼やシャンプーの持ち込みを禁止しているところもある。事前に施設に確認を。泉質によっては石鹼なしで肌の汚れをきれいに落とすこともできる。
7.長髪をまとめない。
女性の場合、入浴時に髪をアップするのは当たり前。でも男性の場合、落ち武者のように湯の中で長い髪の毛をゆらゆら浮かせる人は案外少なくない。見るからに清潔感に欠ける振る舞いで、周囲の人を不快にさせること間違いなし。
8.タオルを浴槽に入れる。

タオルはあくまで浴槽の外で使うもので浴槽内に浸けるのはNG。理由はタオルの繊維がほつれたり、カラダを洗った後のタオルに皮脂がついていたりと、湯を汚す原因になるから。バスタオルを巻いて入浴するのはテレビの演出だ。
9.浴槽で泳ぐ。
大きな浴槽にテンションが上がってついつい泳いでしまう。これもちろんNG。当然だが温泉はプールではなく静かに浸かる場所。お湯が攪拌されることで水圧や温度が変わる場合もある。温泉の効果効能にも影響するので禁止。
10.混浴で異性をガン見する。
効能ありとされる老舗の温泉地には混浴の風呂も数多い。男性の中にはときに長湯をしているふうを装い、入ってきた女性の姿を凝視する輩もいる。彼らの別名は水中で獲物を狙う生態を表した“ワニ”。言うまでもなくやめましょう。


