リバウンドを防ぐ食事改革は「夜鍋+朝スープリメイク」から。

リバウンドを防ぐ鍵は、無理な制限ではなく“続けられる食事”。夜鍋+朝スープの自炊習慣と、タンパク質重視の選択で、減らした体重を確実に定着させて我がモノに。

取材・文/井上健二 撮影/北尾 渉 スタイリスト/高島聖子 イラストレーション/前田 麦、マエダユウキ 取材協力・監修/貴堂明世(管理栄養士)、河村玲子(管理栄養士)

初出『Tarzan』No.917・2026年1月5日発売

夜鍋の残りから朝スープにリメイクしているイメージ
教えてくれた人

貴堂明世(きどう・あきよ)/クオリーヴァ主宰。東京証券業健康保険組合にて長年メタボ予防の指導を担当。現在はフリーランスとして生活習慣病の食事指導、セミナー講師などを務める。

河村玲子(かわむら・れいこ)/1985年、東京都生まれ。メンタル&フィジカルサポートスーパーバイザー。全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定パーソナルフィットネストレーナー、管理栄養士。同志社女子大学卒業、大手フィットネスクラブを経て、独立。カナダで管理栄養士トレーナーとして活動し、ニューヨークでピラティスを学ぶ。フィジカルとメンタルに加えて栄養面でも専門的な指導が行える稀有な存在として人気。

食事改革には夜鍋+朝スープリメイクを。

この先二度と太らないため、今年こそ挑みたいのは、自炊のチャンスを増やすこと。食は人生の楽しみであると同時に、何をどう食べるかは体重のみならず健康を左右する。それを外食や中食のような外注に頼るのは、他人に自らの人生を半ば委ねるようなものだ。

自炊初心者にお薦めなのは、鍋とスープのコンビネーション。

「夕飯に鍋料理を作って食べて、翌朝残りを簡単スープにリメイクすれば、3食中2食を自炊で賄えます」(河村さん)

鍋は市販の出汁を温め、好きな食材を切って入れるだけ。野菜やきのこ類などに、鶏肉や豚肉、豆腐などのタンパク源を加えれば、主菜と副菜が一挙に摂れて栄養価も高い。鍋の食材を半分ほど食べたら、食材の旨みも溶け出した出汁と具材の残りを翌朝用にキープ(暑い季節は冷蔵保存)。そこへ新たに調味料を加えて味変しつつ、スープにアレンジして再び主菜と副菜を美味しく味わう。

キッチンに立ち、まな板と包丁を使う習慣が身についたら、そこを入り口に休日にはおかずの作り置きなどにもチャレンジして。

夜:肉出汁しゃぶ→朝:酸辣湯

肉だし汁しゃぶから酸辣湯

材料(1人分)

  • 豚肉(しゃぶしゃぶ用)…200g
  • 水菜…1株、
  • ニンジン…1/3本
  • 長ネギ…1/3本
  • エノキダケ…1/3袋 
  • 【A】
    白だし…大さじ5
    水…550mL
  • 薬味(ユズ、おろし生姜、七味など)…お好みで

作り方

  1. 水菜とエノキダケは4cmほどの長さに切る。
  2. ニンジンと長ネギは千切りにする。
  3. 鍋にAを入れて沸騰したら、1の野菜、豚肉を入れる。器に取り、好みの薬味をかけて食べる。
朝アレンジ|酸辣湯

【アレンジ】+酢、ラー油、水溶き片栗粉、卵1個、もち麦ごはん

鍋の残りを温め、水溶き片栗粉を加える。沸騰したら溶いた卵を回し入れる。火を止め、酢、ラー油を加える。

夜:鱈ちり→朝:ごま味噌うどん

鶏豆乳鍋からトマト豆乳スープ

材料(1人分)

  • 鱈切り身…3切れ
  • 白菜…3枚、
  • 春菊…1/2袋
  • 長ネギ…1/3本
  • 椎茸…1枚
  • ワカメ…適量、
  • 塩昆布…ひとつまみ
  • ポン酢…お好みで

作り方

  1. 鱈、野菜類を食べやすい大きさに切る。
  2. 鍋に湯を沸かし、鱈を入れて3分ほど煮る。
  3. 野菜を煮えづらいものから順に加え、火が通ったら塩昆布を入れる。
  4. 器に取り、ポン酢をつけていただく。
朝アレンジ|ごま味噌うどん

【アレンジ】+味噌、すりゴマ、豆腐、うどん

鍋の残りを温め、豆腐とうどんを入れる。豆腐とうどんが温まったら、味噌とすりゴマを加える。

夜:鶏豆乳鍋→朝:トマト豆乳スープ

鱈ちりから胡麻味噌うどん

材料(1人分)

  • 鶏もも肉…220g
  • ニンジン…小1/2本、
  • アスパラガス…1束
  • キャベツ…1/4個
  • タマネギ…1個、
  • エリンギ…1パック
  • ニンニク…1片
  • バター…小さじ1 
  • 【A】
    無調整豆乳…400mL
    水…200mL
    コンソメ…大さじ1

作り方

  1. 鶏もも肉、野菜、エリンギは食べやすい大きさに切る。ニンニクはみじん切りにする。
  2. 鍋にバターとニンニク、タマネギを入れ、弱火でタマネギが半透明になるまで炒める。
  3. 2にAを加え、沸騰直前まで温める(吹きこぼれ注意)。
  4. 3に鶏肉を入れ、火が通る頃に1の野菜を加える。
朝アレンジ|トマト豆乳スープ

【アレンジ】+トマトジュース、スライスチーズ、パン

鍋の残りを温め、トマトジュースを加える。火を止める前にスライスチーズ1枚をちぎり入れ、全体を混ぜる。

物価高に負けず、タンパク質に投資せよ。

インフレで食料品の価格が上がっている。ダイエット中、限られた食費の中で集中的に投資すべきなのは、タンパク源。

タンパク質は筋肉をはじめとするカラダを作る栄養素。おもなタンパク源は肉、魚、卵、大豆食品、乳製品だが、いずれも少なからず脂質を含み、それなりにカロリーがある。このため減量時は控えがちでタンパク質は欠乏しやすい。

でも、タンパク質が足りないとカラダを絞るうえでは逆効果。タンパク質が減ると筋肉も落ちて代謝が下がり、痩せにくくなる。免疫を担う「免疫グロブリン」もタンパク質製なので、不足すると免疫力が落ち、体調不良でダイエットの継続が危ぶまれることも。

摂取目安は体重1kg当たり1.0〜1.2g。体重次第だが、毎食20〜25gは摂りたい。

「いまの食事に、タンパク源を1アイテム追加しましょう。朝はとくにタンパク質が足りなくなるので、コーヒーに牛乳を入れてカフェオレにしたり、納豆に卵をプラスしたりするなどして増量してください」(貴堂さん)

【おもなタンパク源のタンパク質量の目安】
  • 肉類1切れ(100g):15〜20g
  • 魚類1切れ(100g):15〜20g
  • 卵(Mサイズ)1個:6g
  • 牛乳コップ1杯(200mL):7g
  • ヨーグルト(100g):3〜4g
  • 木綿豆腐1パック(150g):10g
  • 納豆1パック(45g):7g
  • 豆乳コップ1杯(200mL):7g

減った体重を維持するフェイズにどうするかを決めておく。

過体重を適正体重まで落とすフェイズを終えたら、次は落とした体重を保つフェイズへ移行する。活動量に見合うカロリーを摂り、偏りなく栄養を満たすサステナブルで丁寧な暮らしを送るのだ。

第一歩は、前述の夜鍋+朝スープによる自炊にほかならないが、同時に活用したいのは宅食。

食材を詰め合わせたミールキットを届けてくれるサービスは、多忙時も自炊を強力にサポートする。疲れて調理する気にならない日のために、より手軽に一汁三菜がレンチンで食べられる冷凍おかずセットもある。カロリー、タンパク質量、塩分量などに配慮した数多くのサービスがあるから、気になるものを試して「欲しいものリスト」に放り込んでおこう。

もう一つ心がけたいのは、スポーツでもトレーニングでも何らかの運動をルーティン化すること。

ダイエットのみだと筋肉が減るという話をしたけれど、ダイエットしなくても運動不足で筋肉は年1%ずつ減る。それを防ぐうえでも好きな運動を見つけてほしいのだ。それで過食につながるストレスが解消できたら言うことなし。