“老け顔”の原因を潰す!男性のための肌質改善術。
皮脂は多いのに乾きがち。紫外線とひげ剃りで肌が常にピリピリ。放っておくと、気づけば“老け顔”までまっしぐら。実年齢より若々しい容姿を得るには、正しいフェイシャルケアを行うことが第一。
取材・文/石飛カノ 撮影/木村心保 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 トレーニング指導・監修/小柳衣吏子(アオハルクリニック)
初出『Tarzan』No.917・2026年1月5日発売

教えてくれた人
小柳衣吏子(こやなぎ・えりこ)/アオハルクリニック院長。順天堂大学医学部皮膚科学講座非常勤助教も務める。専門分野は皮膚科、美容皮膚科。皮膚と顔筋の専門家としてウェルエイジングを目指す人々のために探究を続け、2011年から現職に。
男性の肌質の特徴とは?
一日に何度も鏡で顔をチェックする女性や若い男子と違って、壮年男性は自分の顔や肌に無頓着な傾向にある。でも、当たり前だが顔および肌は第一印象を決定づける重要条件。しかも男性の肌は困ったトラブルを抱えがちなので、5歳若返るためにはそれなりの対策が必要だ。
「女性は更年期前後で女性ホルモンがぐっと減るので皮脂の分泌が低下しますが、男性はホルモンの動態が変わらないので50代以降になっても皮脂の分泌が保たれてしまいます。脂分が多くてギラついている一方で、角質の保水分量が少なく、頰や口のまわりがカサつきやすい傾向があるんです」(アオハルクリニック院長・小柳衣吏子さん)
と言うのは、皮膚科医の小柳衣吏子さん。下のグラフはその証拠。そんな肌質の男性は年間通しての肌質改善をどう進めていくか?
年齢と皮脂量の関係

引用元/M. N. Azzaro-Porro, The Journal of Investigative Dermatology, 73, 112 (1979)
皮膚の水分バリア機能の評価

引用元/Xin Wang Journal of Cosmetic Dermatology Vol23, Issue 4, 1393(2023)
「年間を通じての肌のコンディションは基本的に女性と同じ。湿度の低い冬は肌が乾燥し、春には花粉による皮膚炎などになる方がいます。夏になるとやはり皮脂量が増えて秋になってくると夏の日焼け後の肌荒れが目立ってきます」
顔が老けて見える主な原因。
季節ごとによる肌の調子を含め、老けて見える原因は下の通り。

口角が下がる。
肌質もさることながら年齢以上に老けて見える大きな原因のひとつは、ズバリ表情。歳を重ねると男性は口角の下がったへの字口がデフォルトになりがち。注意したい。
ひげ剃り痕。
口角下がりと同様、こちらも季節に関係なく男性の肌を痛めつけ、老け顔のファクターになる。とくにひげが濃い男性は力任せに剃って赤くなったりかさぶたができることも。
アレルギー性皮膚炎【春】
春先はスギをはじめとする花粉性の皮膚炎を患う人も珍しくない。はなをかみすぎて鼻の下がガサガサになる接触性の皮膚炎になるケースも。刺激は最小限にして保湿に努めたい。
皮脂の過剰分泌【夏】
額と鼻にかけてのTゾーンには皮脂腺が多く存在するため、脂ぎった印象に。5〜9月にかけてはとくに皮脂分泌量が増える。洗顔フォームをよく泡立てて優しく洗顔して対策を。

出典/気象庁HPデータ過去の日射量・日本化粧品技術者会誌より算出
日焼け名残の肌荒れ【秋】
近年は半端ない猛暑続きの夏が当たり前。日焼け止めを塗る習慣のない男性たちの秋の肌は紫外線のダメージでボロボロ。肌が荒れたりシミができたり、いいことなし。
唇や肌の乾燥【冬】
湿度の低い冬の大敵はやはり乾燥。とくに頰の部分や唇が荒れるケースが多い。リップクリームを塗る習慣がない男性は、唇がケバ立ったりひび割れたりすることも珍しくない。

出典/気象庁HPデータ過去の日射量・日本化粧品技術者会誌より算出
今日からできる!5つの肌質改善対策。
これらの原因を踏まえ、5つのケアをご紹介したい。
「あくまで目安ではありますが、ノーケアの男性なら1〜2か月ほどで肌の変化を実感できると思います」
対策1.まずは化粧水を使う。

そんなに何もかも一度に対処できない! 小柳さんがそんな男性にすすめているのは化粧水を1本使うこと。
「とにかく化粧水だけ1か月使ってくださいとお願いすると、肌質が変わったことを実感する方が多いんです。意識が確実に変わると思います」
洗顔後は必ず化粧水で保湿を。
対策2.日焼け止めを使う。

そのダメージは秋に出やすいが、紫外線対策は降り注ぐ量が増え始める3月以降はマスト。
「肌の老化の7〜8割の原因を占めるのが紫外線なのでケアはぜひしていただきたいもの。あまり白浮きしないもので数百円より数千円のものの方が高い効果が望めると思います」

せっかく使うなら高価なアイテムがおすすめ。スプレー、スティック、ジェルやローションなどテクスチャーはお好みで。
対策3.タッピングで老廃物を除去する。

セルフマッサージで血液やリンパの流れを促し、老廃物を排出することも肌ケアには有効。目や唇の周り、額は下の矢印方向に、最後は頰から耳に向かってリンパを流して鎖骨方向に押し流すのがセオリー。
「ただし、強く押すのではなく指先で軽くタッピングする程度で十分です」
対策4.シェービングの方法を見直す。

ひげ剃り負けをしやすい人は最低限、カミソリなどの切れ味を再確認し、シェービングローションを使うこと。
「ひげの密度が高い場合は休日はひげ剃りをお休みする習慣をつけましょう。また、ひげに白髪が生える前にレーザー脱毛をして、ひげ剃りの負荷を減らすという方法もあります」
カミソリ利用の場合はひげを柔らかくするシェービングフォームは必須。クリーム、ジェル、フォームタイプなどあるのでお好みで。
対策5.口角を意識的に上げる。

口角の下がったへの字口は、一発で年齢以上に老けて見える要因に。
「男性に口角を上げてくださいと言ってもやり方が分からない場合が多いです。ここは鏡を見ながらの練習が有効。アスリートのように、小頰骨筋、大頰骨筋、笑筋など口角を上げる筋肉を意識して収縮させましょう」
