ランニングマシンに焚き火台も?未来のオフィス環境を考える。
コロナでのリモートワークを経て、より快適でカラダにいいオフィスが求められる時代に。ここでは3つのトピックスから、オフィス環境の最前線を探ってみた。
取材・文/黒田 創 イラストレーション/Yo Ueda
初出『Tarzan』No.918・2026年1月22日発売

今求められるワーク環境とは? 最新オフィス探訪。
建築・土木の設計監理や都市デザイン、企画・調査・コンサルティングまで幅広く手掛ける〈日建設計〉。
同社の東京オフィス一部フロアのリノベーションでは、健康とウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に健康であること)に良い影響を与える建築を評価する「WELL認証」を取得(最上級のプラチナ認証)。現代のオフィス作りのトップランナーだ。

ランニングマシンやキャンプ用椅子が置かれた〈KDDI〉の新オフィス。焚き火台もある。

同じく〈KDDI〉にはこんなリラックスできる座席も。斬新なアイデアが生まれるかも!?
「リモートワークの概念が根付いたことで、コロナ禍明けに多くの企業が“オフィスの存在意義”について改めて考えるようになり、当社はそうしたオフィスの設計をいくつも手掛けています。その中で共通しているのは、生活の延長上にオフィスがあるという概念です」と担当者は話す。
働くなら自宅でも十分できる時代だからこそ、わざわざオフィスに来る環境作りが大事なのだ。
「社内の勉強会などのために、会議室ではなくリラックスして集まれるスペースを作ったり、健康のために数フロアなら階段を使ってもらうための仕掛けを作ったりと、ディテールは多岐にわたります」
楽しくてカラダも動かせる。そんなオフィスならストレスも溜まらず、腰痛や肩こり防止にもなる。下図のような夢のオフィス、そう遠くない未来に実現するかも?

〈住友生命〉のオフィスには、歩幅の目安まで記されたウォーキングコースを設置。
〈日建設計〉のアイデアを基に『Tarzan』編集部が考えた、オフィス未来図 2026。

香るオフィス
良い香りは自律神経に直接作用してリラックス効果をもたらす。そこで日建設計が開発したのが、マーガレットやローズ系の香りを組み込んだ壁や机。ストレスフルな会議も、香りで肩の力が抜ければ有意義なものになるかも。
クールソファ
夏、外から汗だくで帰社して即デスクに座っても集中できるわけがない。昨今は冷感素材を使ったり、座面や背面から冷風が出るクールソファがあるから、そうしたアイテムや空調を工夫して、速やかにカラダをリセットできたら最高。
こもれび照明
森の中の木漏れ日のような優しく揺らぐ光は、リラックス効果や癒やしをもたらすことがわかっている。最近はこれを再現する照明器具が広まっており、オフィスに導入する流れもあるそう。特に日当たりの悪い職場なら効果絶大!
グリーンケア
緑を眺めていると集中力が高まる。ならオフィスがさまざまな植物で囲まれていたらいいなあ……なんて考えますよね? ビル内だって、環境を整えれば植物を育てることも実現可能。植物をともに育てることで同僚との会話も生まれそう。
足湯
カラダが冷えると心がクサクサしてくるし、腰にも肩にもよくない。そこに湯船とは言わずとも足湯があって5分でも足を温めていれば、張りつめた心身がジワジワと緩んでいくはず。「14時の会議は足湯でね」なんて粋じゃないですか。
焚き火
狭い部屋で根を詰めて会議するよりも、キャンプファイヤーのように焚き火を囲んでいると普段は話せない本音が出て画期的なアイデアが生まれてくるかも。すでに実現しているオフィスもある(もちろん本物の火ではなく電気で)。
ストレッチスペース
腰痛や肩こりの予防にストレッチは超有効。会議と会議の合間や、長時間のデスクワークの間にサッと靴を脱いで数分間カラダを伸ばす。そんな環境が整っていたら誰もが心もカラダもリラックス。これは簡単に実現できそう!
新しいトイレ空間
未来のトイレはただ用を足す場所ではない。ボーッとしたり、軽く寝たっていいじゃない? もちろん歯を磨いたり、リップを直したり、髪を整えたり、なんなら靴下を履き替えたってOK。そんな新しい個室トイレがあれば最高ですね。
オフィスのプロが考える、ワーキングチェアの未来。
集中力を高め、腰や頸椎の健康においても重要なオフィスチェア。その物作りの思想と最新チェアについて〈イトーキ〉に聞きました。
「弊社は“居心地の良いオフィスづくり”を目指しています」と話すのは〈イトーキ〉の南星治さん。
「リフレッシュの機能を盛り込んだり、安心感を抱けるデザインや素材選びを行っています。機能面では座った際にカラダがどう動き、支えれば効果的かモーションキャプチャでデータを取り、反映させています。また昨今はノートPCの普及で姿勢が前屈みになりがち。目線を上げるなどして腰の健康を保つといった提案も行います」
オフィスチェアの未来図は?
「座っている人の体調管理ができたり、心理状態を可視化して業務効率化に役立てたり。スマートウォッチでできることも多いですが、椅子だからできることの可能性を探っていきたいと考えています」
《Act2》
上半身を柔軟にサポートし、集中時からリフレッシュまであらゆる姿勢を快適にする最新型タスクチェア。さらには体格に合わせてシートの奥行き調整ができたり、ワンタッチで肘掛けの調整ができるなどの機能も。132,240円〜。WEBサイト
《SHIGA》

機能性だけでなくデザインも心身の健康に重要。スタイリッシュなフォルムに長時間座っても快適な機能を内包した、製造拠点の名を冠したワークチェア。デザインが良いと仕事のモチベも向上! 95,300円〜。
仕事の効率もアップ? 最新オフィスアイテム。
どんなオフィスアイテムを用いるかで、個々の仕事環境は差がつく。ガジェットに詳しい『ギズモード・ジャパン』編集部が選ぶ注目の4品。
近年はリモートワークで普及したツールがオフィスに持ち込まれるようになり、出社しながらも会議や社内連絡、アポ入れはオンラインで行うのが普通のことに。
「オフィス向けアイテムはそうした変化に応じて、“PC仕事をいかにストレスなくこなせるか”という視点で選ぶのが重要です。今後はAI搭載ツールが増えるにしたがって、AI向けの新しいUIが登場するのでは?と考えています。映像の映るメガネや、リングなどを使ったジェスチャー操作といった、まだ見ぬ未来のガジェットに期待します」(同編集部/以下商品コメントも)
《MX MASTER 4》ロジクール

「操作のフィードバックを触覚で伝え、よく使う機能に即アクセスできるショートカットを備えたマウス。手とPCが直結された感覚に」。19,900円〜。WEBサイト
《デジタル二酸化炭素濃度計光学式 補正機能付》シンワ測定

「オフィス環境のパラメータとして二酸化炭素の濃度は重要。空気中にこの量が増えると仕事の効率が極端に落ちるので、予防用ツールとして」。18,700円。WEBサイト
《エナジーボトル》コクヨ

「OA機器がノートPC一台に集約されつつある現在、コンセントの代わりに大容量バッテリーを使うケースが増えました」。市場価格100,000円前後〜。WEBサイト
《nwm DOTS》

「聞き取りやすい音声でスムーズなオンライン会議に。NTTの特許技術で周囲の雑音をカットし、自分の声のみ取り出してクリアに届けます」。24,200円。WEBサイト


