教えてくれた人
河村玲子(かわむら・れいこ)/管理栄養士とコンディショニングスタジオRAF代表の二刀流でボディメイクおよび健康サポートを行う。雑誌でのレシピ作成や監修など活動は多岐にわたる。
主役は食物繊維。豊富な食材はどれ?
ヒトは、何のために食物を食べるのか?
もちろん、命を繫いでいくためだ。タンパク質を血肉にし、脂質からホルモンを作り、糖質で手っ取り早いエネルギーを得て活動する。あとはビタミン・ミネラルで代謝の微調整をすればバッチリ。
ちょっと待った! それだけでは不十分。近年、医療や健康分野の専門家たちが口にするのは、5大栄養素には含まれていない食物繊維の重要性だ。
食物繊維はかつてヒトの酵素では消化吸収できない「食べ物のカス」扱いされていた。ところが、腸内研究が飛躍的に進んだ2000年前後から、腸内細菌が食物繊維を分解してさまざまな健康効果があることが分かり、カスどころか宝の山として見直されるように。
特に注目されているのは、カラダにいい働きをする菌が発酵・分解できる「発酵性食物繊維」。ほとんどの水溶性食物繊維、冷や飯などに含まれる難消化性でんぷん、大麦や小麦ふすまに含まれる一部の不溶性食物繊維などがその内訳。
残念ながら栄養学の世界ではまだ発酵性食物繊維の含有量は数値化されていない。そこで、食物繊維の総量が多い食材をできるだけ多種類、食卓にのせることを目標にしたい。まんべんなくローテして腸活の味方にしてほしい。

食物繊維の多い食材:アボカド・アーモンド・モロヘイヤ・ひじき・全粒粉パン・きくらげ・白インゲン・ゴボウなど
コンビニやスーパーで食物繊維の目利きになる。手軽に買える食品リスト。
食物繊維が腸活にマストであることは十分に理解した。でも、食物繊維を豊富に含む食品ははっきり言ってとっても地味。全体的に茶色いし、豆や根菜、海藻など、ある程度手間をかけないと食べられそうもない食材ばかり。というわけで、食物繊維を摂りたいときはもっぱらサプリに頼ってしまう。
気持ちは分かるし、もちろんそれをNGとは言わない。でも、単一の食物繊維ばかり摂取していると、それを好む腸内細菌だけが突出して増殖してしまう。これでは腸内のダイバーシティは保てない。
「いろいろな食材をバランスよく食べましょう」と子どもの頃から言われてきた理由のひとつが、ここにある。穀物をベースに今日は海藻、明日は豆と、多様な食物繊維を腸に送ることが非常に重要。
よって、まずはすぐに食べられる市販のファイバー食を利用する。上手に組み合わせていただくべし。
がっつり食べたいときの五品。
もち麦おにぎり(8.1g)
※1パック当たりの食物繊維量

もち麦は粘り気が多い大麦の一種で、玄米の約4倍の食物繊維を含む腸活のエース級穀物。最近ではコンビニのおにぎりのラインナップにしっかり組み込まれている。
きのこパスタ(7.4g)

具材はエリンギ、ヒラタケなどのきのことタマネギ、ベーコンなど。ガリバタ醬油の和風味パスタ。1食で7g以上の食物繊維が確保できるので、選択肢があるなら手にしたい。
あんかけ焼きそば(6.1g)

きくらげ、白菜、青菜など2分の1日分の野菜が摂れるという具だくさんのあんかけ焼きそば。麺がメインのソース焼きそばではなく、食物繊維狙いならこちらをチョイス。
ビビンパ(5.4g)

ホウレンソウ、もやし、大根、ニンジン、ゼンマイなどの野菜が豊富なビビンパは、食物繊維を摂取するのにうってつけの丼もの。もち麦入りのものを買うとなお良し。
とろろそば(5.4g)

糖質制限ダイエットではとろろそばはNGメニュー。理由はとろろの材料の山芋や長芋は糖質食品だから。でも腸活に関してはお助け食材。そばもとろろも食物繊維の宝庫。
1品プラスしたいときの6品。
ほうれん草の胡麻和え(4.9g)

スーパーやコンビニで必ずと言っていいほど目にする副菜のひとつ。葉物は加熱することで予想以上の量が摂れるのがメリット。5g近くの食物繊維をカバーできる。
卯の花(4.8g)

卯の花とは日本の伝統的な副菜、おからの炒り煮。基本的な材料はおから、ニンジン、ゴボウ、シイタケ、ネギなどなど。自力で作るのは難儀だがコンビニでも入手可能だ。
春雨サラダ(3.8g)

春雨に含まれるのは不溶性食物繊維なので、きくらげや他の野菜が入ったものを活用したい。また、ジャガイモ由来より緑豆春雨の方が食物繊維が多いのでラベルチェックを。
ひじき煮(3.2g)

ひじき煮の主な材料はひじき、レンコン、ニンジン、大豆、油揚げなど。植物性の食材の集合体だから食物繊維補完にはうってつけ。お弁当の副菜が乏しいときは買い足しを。
ごぼうサラダ(3.2g)

根菜類の中でもダントツに食物繊維が豊富なゴボウがメインのサラダ。ひじき、ニンジン、枝豆などの援軍が加わることでさらに食物繊維の含有量が増す。
納豆(3.3g)

ご存じのことと思うが、納豆の原料もまた大豆。しかも、納豆には納豆特有の納豆菌が含まれていて、こちらは食物繊維を分解する糖化菌として作用してくれる。
小腹が空いたときの5品。
グリーンスムージー(5.0g)

バラエティ豊かな品揃えとマシンにセットしてその場で作るスタイルが人気のコンビニスムージー。こちらの材料はケールやパイナップル、ブロッコリーやニンジンなど。
ポップコーン(4.4g)

ポップコーンとは意外なようだが、原料は全粒穀物であるトウモロコシ。多く含まれているのは不溶性食物繊維だが、発酵性食物繊維に分類されるアラビノキシランも豊富。
ブランパン(4.1g)

もとはといえば糖質コントロールの対応製品として誕生したブランパン。小麦の外皮であるふすまを利用して糖質量を抑えているが、同時に食物繊維含有量もアップした。
サラダラップ(3.4g)

とうもろこし粉などで作られた薄焼きパンで具を巻いた別名トルティーヤロール。各種あるが、タンパク質メインのものより雑穀や野菜がたっぷり入ったものを選びたい。
枝豆(4.3g)

枝豆=大豆。大豆に成長する前の段階で収穫されるのが枝豆。不溶性食物繊維が豊富に含まれているが、発酵性の難消化性オリゴ糖もまた豊富。おやつやおつまみにどうぞ。
朝昼晩に取り入れるなら、腸活メシの組み合わせ。
朝食(13.5g)

主食はもち麦おにぎり、主菜は焼き鮭、副菜は長芋やオクラ、海藻などのねばねばサラダ、さらに副副菜には切り干し大根。で、汁物はナメコの味噌汁。すべてコンビニもしくはスーパーで手に入る惣菜およびインスタント食品。
昼食(11.0g)

外食のランチでは意外と野菜を摂るのが難しい。食物繊維を狙うならむしろ中食の方が有利。たとえばチキンなどのタンパク質と雑穀、野菜がたっぷりのサラダラップをメインに、ブロッコリーとタコのサラダと、スムージーで◎。
夕食(13.0g)

夕食では枝豆と焼き鳥をつまみにビールを楽しむ。ビールのホップの作用によって腸内細菌の多様性が増す可能性があるという研究報告もあり。そして最後は納豆とろろそばで〆れば明日の快便は約束されたも同然。