夏のトレラン&登山を楽しむ、基本装備とマナー。

夏山に最適な装いと必要な持ち物をしっかり揃えること。そしてマナーを守り、同じ登山者や自然に対する失礼がないようにすること。それでこそ真の“良きランナー&ハイカー”になれる!初心者は必読、経験者も今一度おさらいを。

edit & text: Takuryu Yamada illustration: Kokoro Kaneda special thanks: Run boys! Run girls!, Tanaka Shoten

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トレイルランナー&ハイカーの装備と心得ている人々

トレイルランナー|選択の基準は“軽快さ”。

トレランする人の格好

【ザック】サイズは胸囲に合わせる。

夏の低山ならベストタイプでOK。ただし、気温変化に対応するためのシェルや水分、行動食、非常時のアイテムなどを含めると最低でも4〜5Lは欲しい。サイズ選びはTシャツのように体格や身長ではなく「胸囲」に合わせることが鉄則。試着してジャンプしてみたり、走行中に揺れずにピタッとした着心地のものを。

【ウェア】理想はアウトドアブランド。

トレイルでは発汗量も気温差も上がるので、通気性だけでなく速乾性や吸着感も欲しい。となるとロード用ウェアよりも山の機能性を備えたアウトドアブランドのウェアが好適。肌面が凸凹・メッシュ加工の吸汗速乾素材なら肌への接触面が減り、不快感防止に。藪に入るようなコースでなければロングパンツよりショーツでOK。

【シューズ】スタンダードから始めよう。

着用時間が長くなるのでサイズは1〜2サイズ大きめを選ぼう。靴ずれや上り、下りで想像以上に負担がかかりむくんでくることも。厚底がトレンドだけど、まずはキャラクターの尖っていないものから。厚みは25〜30mm、ラグは4〜5mmのものがおすすめ。オーソドックスなものから始めて自分に合ったスペックを足し引きしていこう。

ハイカー|通気性と速乾性がポイント。

ハイカー(登山)する人の格好

【ザック】大は小を兼ねない。

夏山は防寒着が少なくていいので容量は20L前後が最適。山用ザックは大が小を「兼ねない」のでポイントは携行品を収納した際の背負い心地。ザックがぶれないようチェストベルトは必須だが、機動性を考えるとヒップベルトはなくても可。スムーズに出し入れできるポケットがあるとストレスなく快適に使える。背面の通気性能も要確認。

【ウェア】自分に合った素材を選ぼう。

通気性と速乾性からポリエステル100%や、ウールとポリエステルの混紡素材が快適。ウールは汗を吸っても冷えにくく、防臭効果で臭いが出にくい。サイズはピチピチすぎず、風が抜けて涼しさを感じられるような、ゆとりのあるシルエットを選ぼう。肌から汗を吸い上げTシャツに伝達できる吸水速乾のベースレイヤーがあるとなおよし。

【シューズ】足型との相性が肝。

夏の低山なら、足首をガチガチに固める重厚な登山靴より、ローカットのトレランシューズやハイキングシューズで足捌きを重視しよう。ただしソールのラグがしっかりとして、滑りにくいラバーのものを選ぼう。サイズの目安は、インソールを取り出して爪先に指1本分の余裕があるもの。最終的にはシューズの足型との相性を考慮する。

ザックの中身はトレラン&登山とも共通。

行動食(軽食)

行動食:おにぎりやゼリー

エネルギー、アミノ酸は30分〜1時間おきの摂取が理想。エネルギー補給には糖質、疲労対策にジェルでアミノ酸など。登山ではジェルだけでなく食べたいものやコンロなどを持っていくのも◎。

Map

地図とスマートウォッチ

登山をガイドできるスマートウォッチあるいは山の地図は必携。事前にルートを確認して入山・下山時間、所要時間など計画を立ててから山に入ること。充電切れに備えて紙の地図も持っていこう。

水を入れたボトル

1DAYのハイクでもトレランでも1Lは準備したい。水分補給を考えるとスポーツドリンクでもいいが、食事用やケガをして傷口を洗うときなど汎用性が高いのは水。スポドリと半々でもOK。

レインウェア

レインウェア

低山でも急な天候不良には要注意。休憩時や登頂時の汗冷え対策としても薄手の防水シェルがあると安心だ。登山のときは行動時間も長くなるので、レインパンツやスカートもあると便利。

エイドキット

エイドキット

絆創膏やテーピングなど、もしものときのエイドキットは必須。ポイズンリムーバー、常備薬(鎮痛剤、胃腸薬など)、消毒用アルコールに加え、モバイルバッテリーやテーピングもあるとよい。

エマージェンシーシート

エマージェンシーシート

緊急時にカラダに巻きつけることで放熱を防ぎ、防風・防水・防寒の役割を果たすアルミのフィルムシート。使わないに越したことはないがコンパクトなので常に持ち歩くようにしよう。

着替え

上下の着替え

ゲリラ豪雨や汗まみれになったら体温調節、ストレス軽減のためにも着替えがあるとよい。また下山後に電車に乗ったり飲食店に入るなら最低限上着だけでも着替えを持っておくべし。

自然にも人にもやさしいグッドマナー。

マナー1. 挨拶は遭難事故の手がかりにも。

街中では知らない人と挨拶を交わすことはそうそうないが、山では「こんにちは」という挨拶がカルチャー。遠慮せず元気に! また、挨拶を交わして顔や服装を記憶してもらうことは、いわば遭難時の「自身のログ」。安全面でも大きな意味を持つ。

マナー2. すれ違いは上り優先、追い越しは山側で待機。

すれ違いは、視野が狭くなり体力を消耗する「上り」が優先。追い越しの場合は待機する側は滑落の危険を防ぐため「山側」で止まるのが基本。ただこれはあくまで基本。お互いが気持ちよくすれ違えるよう、遠めから声をかけて挨拶をすることも大切。

マナー3. ゴミになるものは持ち込まない。

山でポイ捨てをする人はいない。それでもあるゴミは誤って落としたものがほとんど。ポケットではなくチャック付き袋などで管理しよう。包装紙や割り箸などゴミになるものは山に持ち込まないという心がけはパッキング段階でのグッドマナー。

マナー4. 急がば回るな。その一歩が山を侵食する。

追い越したいから、泥を避けたいからとトレイルを外れて脇道に踏み出すと、新しい道が生まれてしまう。その一歩の積み重ねがトレイルを太くし山の侵食や崩壊を招く。「自分一人だけなら大丈夫」と思わずルートから外れない意識を大切に。

マナー5. グッドランナー&ハイカーは、トレイルを整備する。

悪天候の翌日などはトレイルに落ちた枝を脇に避けるなど自発的に整備を行うのもグッドマナー。ただし大きな倒木など大がかりな作業はビジターセンターなどに連絡しよう。みんなでトレイルを守る意識を持ち、できる範囲で協力し合うこと。

マナー6. 山を下りたら身だしなみを整えよ。

下山後は泥汚れをしっかり落とし身だしなみを整える。帰りの電車内で汗の臭いや汚れた格好は、ランナーやハイカーをネガティブな印象に。ラッシュ時を避けたり臭いにくいウール素材を着用したり下山後に着替えるなどして大人の配慮を。

マナー7. TPOをわきまえた熊鈴の使い方を。

熊避けに携帯したい熊鈴だが山では静かに過ごしたい人も。「消音」できる熊鈴もあるので人が多い場所や山頂、電車内などではオフにするのがマナー。登山用の熊鈴は必要以上に音が鳴るので、走る際にはトレラン専用のものを選ぼう。