関節と骨を強化するエクササイズ|骨活トレーニング①
加齢とともに「関節」と「骨」にまつわるリスクは増す。30〜40代を迎えたら、この事実をゆめゆめお忘れなく。ヒザの痛みや肩の不安を抱えるあなたに捧げる「骨活トレーニング」第1弾をお教えします。
取材・文/石飛カノ 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 監修/澤木一貴(SAWAKI GYM)
初出『Tarzan』No.799・2020年11月5日発売
骨は加齢とともに「形成されるスピード」が「壊されるスピード」に追いつかなくなっていく。そして、残念ながら関節は消耗品。使い込めば使い込むほどに摩耗が進み、痛みや変形などが生じるリスクが高くなる。
どんなエクササイズがいい?
まずは「叩く(着地する)」「動かす」「キープする」というさまざまな刺激を入れて関節と周辺の骨の強化に努める。「叩く」は垂直方向の刺激での骨の強化、「動かす」と「キープ」では微妙にズレた関節のはまりを改善するのが狙い。
どうエクササイズすればいい?
脊柱を刺激し、可動域を保つ①基本の動きは毎回行い、②上半身3種目と③下半身3種目をこれに組み合わせていく。膝の痛みが気になるなら下半身を重点的に、肩に不安があるのなら上半身を重点的に行ってもよし。もちろん、すべてを一度に網羅してもOKだ。
骨粗鬆症でとくに骨折しやすい部位は、手首、脊柱、肩、股関節。これらの部位をカバーしながら全身の関節の強化を図ろう。
① 基本の動き
【脊柱に垂直刺激を入れて、スムーズな動きを取り戻す】
アンクルホップ(10回×2セット)
両足を腰幅に開いて立つ。両腕を引き上げ、その反動を利用しながら小さくジャンプして足の裏全体で床に着地する。一回一回ストップするのではなく小刻みにリズミカルに行うこと。脊柱に着地の刺激を感じよう。
キャットバック(10回×2セット)
床に四つん這いになる。両手は肩の真下、膝が骨盤の真下に来るように。まずみぞおちを引き上げるイメージで背中を丸め、次に顎を上げて背中を反らす。これを1回として10回繰り返し。背骨の動きを感じよう。
② 上半身の動き
【しっかり叩いてキープして、手首、肩、肘の関節を強化】
手関節(10回×2セット)
両足を腰幅に開いて立つ。左の掌を上、右の掌を下方向(やりやすい方で)に向けたら胸の前で手根を叩き合わせる。これをリズミカルに行う。骨粗鬆症の人が転んだとき、最初に骨折しやすいのは手首。日頃から強化を。
肩関節(左右各10秒キープ×2セット)
床に片手をつき、反対側の手を上方に伸ばして頭から爪先までをまっすぐにキープ。肩関節が最も「はまり」のいい場所を探してキープのこと。バランスをとるのが難しい場合は脚を前後に開いて行おう。
肘関節(10回×2セット)
床に両手と両膝をつき、膝下を揃えて床から引き上げる。両手で床を押して反動で浮かせた後、左右の掌で同時に着地して肘を刺激。両手はあまり大きく浮かせなくてもよし。小さな動きでリズミカルに行うことがポイント。
③ 下半身の動き
【痛みや違和感が生じやすい膝、股関節、足首を鍛錬する】
膝関節(10回×2セット)
両足を肩幅に開いて立ち、爪先を正面に。左右の手は側頭部に添える。両膝をいったん沈めて真上にジャンプしたら、膝を曲げて両足全体で床に着地。あまり高く跳ばなくてもよし。リズミカルにジャンプして膝を刺激する。
足関節(20歩×2セット)
いわゆる「踵歩き」。着地する軸足の爪先を常に引き上げ、両手でバランスをとりながら20歩連続で歩く。踵で体重を引き受けることで垂直刺激が足首に加わる。歩いて移動してもその場歩きでもよし。
股関節(左右各5回×2セット)
股関節を動かす練習。椅子の背を右手で摑み、左脚を後方に伸ばす。左手は太腿にまっすぐ添える。全身のシルエットが「T」の字になるように。そのまま骨盤を左に捻り、上半身を真横に開く。元に戻って繰り返し。