何を食べたらいい? ダイエットを助ける「抗酸化物質」

食事を減らせば痩せる!は大正解だけれど、それだとツラいのも事実。。贅肉の浮き輪(=お腹まわりの脂肪)を取るには、普段の食事に栄養・機能をプラスする「足す食事」を取り入れたい。今回は、脱・贅肉浮き輪に抗酸化物質が効く理由を解説。

取材・文/井上健二 撮影/大嶋千尋 スタイリスト/西森萌 監修・料理作製/河村玲子

初出『Tarzan』No.830・2022年3月24日発売

鮭イクラ丼
浮き輪ゾーンの贅肉とは?

浮き輪ゾーンの図説

浮き輪ゾーンとは、ヘソと左右の腰骨との間を中心に、腰まわりを贅肉が帯状にグルリと一周する部分(写真上の色で示した部分)。内部には内臓脂肪が溜まり、外側を皮下脂肪が腰まわりを一周するように囲み、溜まった体脂肪が、浮き輪をハメているように見えることから名付けた。

ダイエットというと、これまではカロリーや食事量を減らす「引く食事」が主流だった。でも、カロリーや食事量を減らす食生活は窮屈だし、辛くて長続きしない。

そこで脱・浮き輪のためにぜひ取り入れたいのは、贅肉を落とすために欠かせないものをプラスする「足す食事」(詳しくはこちらの記事:本気で痩せたいなら食事にタンパク質をプラスすべき理由)。

今回は足したい9つの栄養素と機能性成分の中から、抗酸化物質について解説。

抗酸化物質で運動の疲れが抜けやすい

浮き輪ゾーンを撃退するには、運動も欠かせない。そうなると足しておきたい機能成分が、抗酸化物質だ。

呼吸で取り入れた酸素の2〜3%は有害な活性酸素に変わる。活性酸素による酸化は、老化や生活習慣病の引き金。この酸化を防ぐのが、抗酸化物質である。

運動時には取り込む酸素の量が増えるため、活性酸素の発生量もアップ。酸化ストレスが増えてしまう。酸化ストレスがあると疲労が抜けにくく、運動が満足にこなせない。

抗酸化物質で酸化ストレスを抑えると、運動後の疲れが抜けやすくなり、運動がラクに継続できるから、浮き輪もダウンサイジングしやすくなる。

代謝を改善して、ダイエットをサポート

抗酸化物質は、減量の命運を左右するエネルギー代謝も改善する。エネルギー代謝の要となるのは、肝臓。肝臓では代謝が活発に行われているため、運動をしなくても、活性酸素が日常的に生じている。

肝臓に酸化ストレスが溜まると、肝臓の機能が部分的に麻痺。エネルギー代謝が停滞し、肥満につながりやすい。抗酸化物質で肝臓を酸化ストレスから守ることができたら、エネルギー代謝がスムーズに進み、ダイエットを秘かに援護射撃できる。

抗酸化作用を持つ栄養素といえば、いわゆる「ビタミンエース(ビタミンA、C、Eの総称)」が挙げられる。これらの抗酸化ビタミンも大切だが、それを上回る威力を誇る抗酸化物質もある。

それが鮭のアスタキサンチン、ビーツのベタシアンなどだ。また、ブロッコリースプラウトのスルフォラファンは体内の抗酸化酵素の生成を促し、抗酸化力を高める。こうした食材のどれかを1日1回摂るようにしよう。

抗酸化物質が摂れる食材例

サーモン

可食部100g当たりの抗酸化物質:1.0mg

イクラ
いくら

可食部100g当たりの抗酸化物質:0.9mg

高カカオチョコレート
高カカオチョコレート

可食部100g当たりの抗酸化物質:840mg

ビーツ
ビーツ

可食部100g当たりの抗酸化物質:100mg

ブロッコリースプラウト
ブロッコリースプラウト

可食部100g当たりの抗酸化物質:160mg