カラダにやさしい加工食品を見極める「NOVA分類」って?

疲れをミニマルに抑えるためには、食品の加工度にも目を向けたい。加工度の度合いでグループ分けをしたNOVA分類を活用して、平日は加工食品に頼りつつ、休日は加工度の低い食卓で疲れにくいカラダを目指そう。

取材・文/井上健二 取材協力/河村玲子(管理栄養士)

初出『Tarzan』No.831・2022年4月7日発売

超加工食品とも上手に付き合っていく

毎日の食卓に便利なのが、ファストフード、カップ麺などのインスタント食品。これらは「超加工食品」と呼ばれる。加工の度合いで食品を4グループに分ける、ブラジル・サンパウロ大学公衆衛生学部の研究者らが考案した「NOVA分類」で、もっとも加工度が高いものである。

NOVA分類でいちばん加工度が低いグループ1は、新鮮な野菜や果物、生の肉や魚の切り身など。グループ2は、グループ1を調理するときに使うオリーブ油などだ。

グループ3は比較的シンプルな加工食品。缶詰や瓶詰の野菜や豆類、チーズ、燻製肉などが入る。グループ4には、ファストフードやインスタント食品の他、菓子パンなどが含まれる。

NOVA分類
グループ1|未加工あるいは最低限加工した食品 植物の種子、果実、葉、茎、根、動物の肉、卵、水など。これらに乾燥、ボイル、冷蔵、冷凍、真空パックなどの加工をしたもの。
例)野菜、果物、穀物、肉や魚の切り身。
グループ2|加工した料理素材 圧縮、精製、製粉などの加工で作られたもの。自宅やレストランのキッチンで、グループ1を用いて調理する際に使う食材。
例)精製塩、植物油、バター。
グループ3|加工食品 グループ1にグループ2を加えて作る比較的単純な食品。
例)缶や瓶詰めの野菜、果物、豆類、味付けナッツ、チーズ、燻製肉。
グループ4|超加工食品 5種類以上の素材を含み、工業的に加工されたもの。加工食品に用いられる素材に加えて、超加工食品にしか使われない素材を含む。グループ1を含む割合は少ない。
例)ファストフード、インスタント食品、1食分の冷凍食品、清涼飲料水、スナック菓子、菓子パン。

超加工食品を摂りすぎると、体内で慢性的な炎症が起こりやすくなり、疲労につながる恐れがある。

「超加工食品には、トランス脂肪酸や飽和脂肪酸が多く含まれるうえに、3大栄養素からのエネルギー摂取比率であるPFCバランスの乱れにつながりやすくなります。それがネガティブな作用を及ぼすようです」(管理栄養士・河村玲子さん)

とはいえ、疲れたくないから超加工食品を一切食べないというのは、運動不足がカラダに悪いという理由で、クルマに一生乗らないと主張するようなもの。極端&非現実的だ。

「加工食品も超加工食品も、忙しい現代人にはありがたい食品。NOVA分類を頭に入れつつ、適材適所で賢く利用しましょう。忙しい平日は超加工食品に頼るのは仕方ないとして、時間がある休日はなるべく加工度の低い食事を心掛けてください」(管理栄養士・河村玲子さん)