脂肪燃焼を促す魚油の成分
かつて日本人は世界でいちばん魚を食べていたが、10年ほど前に肉と魚の消費量が逆転。現在、日本の成人が1日に食べる肉は平均100g程度。それに対して魚の摂取量は平均68gほどに留まり、両者の差はどんどん開く一方になっている。
でも、ラクに痩せたいのなら、魚の摂取を増やすべき。食べるなら、サバやイワシなどの青魚だ。
青魚の魚油には、EPAとDHAという多価不飽和脂肪酸が含まれる。どちらも体内で必要量が合成できないので、食事から摂り入れるべき必須脂肪酸に準じる扱いを受ける。
この魚油の成分は、体脂肪の燃焼を促す働きがある。詳細は次の通り。
脂肪細胞には、体脂肪を溜める白っぽい白色脂肪細胞(WAT)と、茶色っぽい褐色脂肪細胞(BAT)がある。BATの役割は、WATとは180度異なり、体脂肪を燃やして熱を作り、体温を保つことにある。
魚油は交感神経を刺激し、WATをBAT的な機能を持つベージュ細胞に変える力がある。それにより、体脂肪が燃えやすくなるのだ。
サバなら1日たった1/3切れでOK
また、体脂肪を燃やすには酸素の手助けがいるが、魚油はその酸素をスムーズに運ぶサポート役も担う。
「魚油は、血中で酸素を運ぶ赤血球の膜の成分になる。魚油が多い膜は柔軟性が高く、しなやかに変形しながら毛細血管の隅々まで酸素を運び、全身で体脂肪燃焼を進めるのです」(管理栄養士の岩崎真宏さん)
魚油の体脂肪燃焼作用を享受するのに必要なのは、サバならわずか3分の1切れほど。サラダチキンばかりでなく、もっと青魚を食べよう。