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勘違い① 運動前にはバリスティックストレッチがベスト
正:近年はAISが注目されています
「運動前には静的ストレッチではなく、カラダを動かしながら筋肉や関節を伸ばす動的ストレッチや、反動をつけて伸ばすバリスティックストレッチを行うのが基本です。しかしバリスティックストレッチは筋肉や関節などを傷つける恐れがあり、一般の方には適さない場合があります。
そこで、最近注目されているのがアクティブ・アイソレーテッド・ストレッチ(AIS)です」(トレーナーの澤木一貴さん)
AISは2秒かけて伸ばしたい筋肉と対にある筋肉を2秒間収縮させ、ターゲットとなる筋肉を弛緩。最大限の効果を得るストレッチ。
動きが極めて小さいため無駄に筋肉や関節を動かして傷つける心配がなく、運動初心者でも安全かつ確実にストレッチが行えるのだ。
例えば、ハムストリングスのAISストレッチなら…
片方の足にタオルを巻き付けて床に仰向けに。タオルの端を両手で持ち、続けて2カウントで脚をなるべく高く上げ、そのまま緩める。これを左右10回ずつ。タオルを無理に引っ張らず、太腿の前側にある大腿四頭筋の収縮をしっかり意識しつつ、裏側のハムストリングスが伸ばされるのを感じよう。逆側も同様に行う。
勘違い② 腹割りしたければ、ひたすらフッキン運動
正:スクワットでも腹割りはできます
バキバキの腹筋を目指して毎日フッキン1000回! その熱意は買うけど、どうせならより広い視野で腹まわりを鍛えましょうと澤木さん。
「おすすめはスクワットです。これならばカラダ全体を使った動きで全身の脂肪を落としつつ、代謝を高め、腹筋にしっかり刺激を与えられる。全身をシャープにするおかげで腹筋はパキッと割れて見えますし、短時間で済むメリットもあります」
スクワットはハムストリングスやお尻を鍛えるエクササイズじゃないの? という人はぜひ試してみてほしい。やるとわかるが、スクワットはお腹にもかなり効く。
最中の腹部を筋電図で調べると、実は運動量もフッキンと遜色ない。ゆっくり、お腹に刺激を感じながらチャレンジを。
基本のスクワット
両足を肩幅より少し開いて立ち、両手は頭の後ろで組む。背すじを伸ばして胸を張り、股関節と膝を同時に曲げながら、太腿が床と平行になるまで腰を落としていく。しゃがんだときに上体と膝下が平行になるよう意識すること。回数はゆっくり15回×2セット。
勘違い③ 体軸を鍛えるのに一番効率的なのはプランク
正:デッドリフトの方が効率的です
体軸や体幹トレーニングといえばコレ、と今日もプランクに勤しむ皆さん。他にも選択肢はあります。
「プランクは体軸のリセットや歪みを整えるのに使い、鍛えるならデッドリフトなどの方がおすすめ。これらは体軸を安定させないと姿勢を保てないため、強化にはうってつけ。また、実は動きの中にプランクも含まれているのです」(澤木さん)
なかでも自体重で行うシングルレッグルーマニアンデッドリフトは、片脚立ちで全身のバランスをキープするエクササイズ。より細かい筋肉も動員されるため、下半身はもちろん、機能的な体軸、体幹を養える。
「なるべく足を床や地面につけ、重心を感じながら行うトレーニングの方がより効率的に鍛えられますよ」
シングルレッグ ルーマニアンデッドリフト
背すじを伸ばして立ち、片膝を前に上げ90度に曲げる。両腕を左右にまっすぐ広げ、上げた方の脚を真後ろに伸ばしながら同時にカラダを前に倒す。このとき頭から股関節、後ろ足の先までが一直線になるようなイメージで、背中を反らしたり丸めたりしないこと。元に戻し、反対側も同様に行う。左右5回ずつ。
勘違い④ 20分以上の運動をしないと脂肪は燃焼しない
正:数分でも脂肪は燃える。効率的に燃焼させるならHIITを
「これは多くの人が勘違いしています。運動を20分間続けないと脂肪が燃えないのではなく、そのタイミングで体内のエネルギーとして使われる比率が、糖質よりも脂肪の方が高くなるということ。運動を始めた当初は糖質がより多く使われますが、脂肪も少しずつではありますが使われていきます」(澤木さん)
特に現代人は糖質過多傾向。5分でもいいから動いてみて、摂りすぎた糖質を、ついでに脂肪も軽く燃やそう。
「時間をかけず効率的に脂肪を燃焼させたければ高強度インターバルトレーニング(HIIT)がおすすめ。ややハードですが、全力で行えば、短時間でもしっかりと効果を得られます」
2種目のシンプルHIIT
ルール:20秒動いて、10秒休憩を8回繰り返す。
バーピー:立ち姿勢からしゃがんで床に両手をつき、そのまま脚を後ろに伸ばして全身伏せた姿勢に。すぐさま脚を戻してジャンプするように立ち上がり、元の姿勢に。一連の動きを20秒連続で行う。
マウンテンクライマー:両手を肩幅に広げ、両足を揃えて腕立ての姿勢を作る。頭から踵まで一直線に保ったまま、片方の膝を曲げて胸元まで大きく引き寄せて元の位置に戻す。続けて反対側も同様に。これをすばやく20秒間連続で行う。