その肘の痛み「スマホ肘」かも。改善のためのマッサージ
腕の不調には、即効性の高いスポーツマッサージがおすすめ。今回は、スマホの使いすぎが招く「スマホ肘」に効くセルフマッサージを紹介。痛みや不調を抱える患部自体ではなく、不快な症状を招く原因になっている部分へとアプローチ。動きが良くなったことがしっかり確かめられたら、隙間時間を見つけて毎日続けよう。
取材・文/井上健二 撮影/マルコ・ペルボニ スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 マッサージ監修/高林孝光(アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長、鍼灸師、柔道整復師)
初出『Tarzan』No.845・2022年11月2日発売
高林孝光さん
教えてくれた人
たかばやし・たかみつ アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長。柔道整復師、鍼灸師。バレーボールのJOCジュニアオリンピックカップ東京代表トレーナーを務めた他、オリンピアンをはじめ多くのアスリートの治療に携わる。
スマホ肘の改善には指を緩めよう
テニス肘のようにスポーツで酷使すると肘に痛みが出やすい。それ以外で増えたのが、スマホの使いすぎが招く「スマホ肘」。
物をつまんだり、摑んだりするのが得意な手の使い方が変わり、手を動かす前腕のストレスが増えたせいだ。患部の肘ではなく指を緩めよう。
まずは「スマホ肘」チェック
腕をまっすぐ伸ばし、中指を上げる。その指を上から圧迫してみて、同じ側の肘まで痛みが走るようなら、間違いなく「スマホ肘」だ。
ステップ1|中指のマッサージ
痛むのは、肘から手首まで延びる長い筋肉(短橈側手根伸筋)。この筋肉を効果的にほぐすために、手の甲の中指の付け根を揉みほぐす。
中指の付け根(MP関節)から、次の関節(第2関節、PIP関節)まで、反対の指で円を描くように優しく10〜20秒ほどマッサージ。
ステップ2|指を伸ばすストレッチ
指が曲がり、縮こまっていると、スマホを握ったり操作したりする際、肘に負担がかかりやすい。そこで指を伸ばすストレッチを。
左右の手の指を広げ、指と指をくっつける。片側の指を圧迫して反らし、10〜20秒ほどキープして伸ばす。左右を変えて同様に行う。
ステップ3|肘を守る簡単テーピング
短橈側手根伸筋が引っ張られると、痛みが出てくる。そこで手首側と肘側に、伸縮性の高いキネシオテープを巻いて軽く圧迫し、筋肉が過度に引っ張られるのを防ぐ。さらに、短橈側手根伸筋をサポートするため、2枚のテープを結ぶように前腕外側にもテーピング。
マッサージの効果を確認
腕を伸ばし、拳を軽く握り、手首の曲げ伸ばしを行う。痛みがなく、以前よりスムーズに曲げ伸ばしできたら、マッサージが効いた証拠。