最長3ヶ月でクリア!腰痛から解放されるためのピラティス。

「ピラティスの運動療法は、慢性的な腰痛へ特に効果がある」と多くの研究で報告されている。今回は、腰痛改善のスペシャリストが教えてくれる腰に特化したピラティスを紹介。早ければ2〜3回で、長くて3か月も続ければ実感できるはず!

取材・文/オカモトノブコ 撮影/内田紘倫 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 監修/本橋恵美

初出『Tarzan』No.890・2024年10月24日発売

お悩み解消ピラティス 腰
教えてくれた人

本橋恵美(もとはし・えみ)/〈Educate Movement Institute〉代表理事。スポーツ医学に基づくピラティスメソッドを構築し、トップアスリートのコーチングをはじめ、大学との共同研究、指導者の育成にも従事する。著書多数。

まずは痛みのタイプをチェック!

機能解剖学やバイオメカニクスの研究を取り入れ、アスリートから高齢者まで指導するコンディショニングコーチの本橋恵美さん。腰痛改善のスペシャリストだ。

「慢性的な腰痛に悩む人が多い働き盛り世代は、姿勢の悪化で筋肉や筋膜に問題があるケースが多いです。この腰痛は“腰を曲げると痛い”“反らすと痛い”という2つのタイプに分かれ、姿勢や体幹の状態、また隣接する関節の可動域によって変わるもの。そのため、対応するピラティスのエクササイズもタイプごとに異なります」

さらに本橋さんのメソッドでは、「腰を守って安全に動く」のもポイントに。腰椎を支えるインナーマッスルが日常的に働き、機能的に動けるカラダが手に入る。

そんな本橋さんに教わるのは、腰痛に特化したピラティス。痛みのタイプでメソッドが異なる。

「痛みの種類は、背骨や骨盤まわりの可動性や筋肉の状態に左右されます。例えば股関節の場合、伸展と屈曲どちらかに問題があると、その動きをカバーしようと隣接する腰椎に過度な負担が加わって、痛みを招いてしまうのです」

そのため脚を動かすエクササイズでは、体幹部や骨盤を安定させたまま股関節だけを動かし、本来の可動域を引き出すのが重要なポイントに。

「各タイプとも、まず股関節の単独運動から始め、全身の動きへと統合させるのが基本。胸椎の柔軟性も重要なので、最後の“ブックオープナー”は両タイプにおすすめです」

腰痛 トラブルチェック

【トラブルA・B・C】伸展時痛タイプ|腰を反らすと痛い、いわゆる「反り腰」。

伸展時痛タイプ
要因
  • 脚を後ろに引く動き(=股関節の伸展)が難しい
  • 背骨を支える脊柱起立筋が硬く縮む代わりに腹筋が伸びて使われない
  • 腰椎の反りすぎ(=過伸展)がある。

【トラブルD・E・F】屈曲時痛タイプ|腰を曲げると痛くなる、猫背の姿勢。

屈曲時痛タイプ
要因
  • 股関節の屈曲が難しい
  • 背中が丸くなり背骨をつなぐインナーマッスルの多裂筋がうまく働かない
  • 背骨が分節的に動かず、姿勢の安定性が失われることがある。

ドローイン|まずは準備運動から。

腰を守って安定させるため、まずはインナーマッスルの腹横筋を効かせる「ドローイン」の練習からスタート。他のエクササイズを行う最中にも、この感覚を常にキープしておこう。

ドローイン

  1. 仰向けで膝を曲げ、腰は自然なカーブを保ったまま骨盤の内側に指先を当てる。
  2. 息をゆっくり吐いてお腹を最大時の20〜30%ほど軽く凹ませ、指が下がれば腹横筋が正しく収縮したサイン。逆に指が押し返されたら、凹ませる力が強すぎてアウターの筋肉が働いているため注意を。3呼吸ほど繰り返そう。

伸展時痛タイプに効くピラティス。

ダブルストレートレッグストレッチ

ダブルストレートレッグストレッチ

1.仰向けで両膝を抱え、頭を上げて背骨を丸めたスタートポジションを作る。

ダブルストレートレッグストレッチ

2.両手を頭の後ろで組み、両脚は揃えて真上、爪先は軽く開く。腹筋群や股関節まわりの筋肉を意識する。

ダブルストレートレッグストレッチ

3.息を吸いながら両脚を斜め45度までゆっくり遠くへ下ろし、吐きながらゆっくり2に戻って8回繰り返す。腰を守るため、最後は1に戻ってフィニッシュ。

腹筋を伸ばしつつ鍛えるエクササイズ。脚の重さが負荷になるため、勢いで下ろさないのが肝心。

サイドキック

サイドキック

1.横向きに寝て両手を頭に添え、両脚をやや前に出して姿勢を安定させる。

サイドキック

2.息を吐きながら、上側の脚の爪先を立てて前へ蹴り出す。股関節は90度以上曲げないこと。

サイドキック

3.息を吸いながら、脚を後ろへ軽く引く。15度以上は動かさないよう注意。2に戻って8回繰り返し、逆側も。

脚を後ろへ引く股関節の伸展可動域は15度まで。骨盤を安定させ、股関節から脚を動かすようコントロール。

ローリングライクアボール

ローリングライクアボール |

1.お尻に踵を近づけて座り、脚の外側から足首をつかむ。背中は丸め、開いた両膝の間に頭を入れたら両足を床から浮かせる。

ローリングライクアボール |

2.息を吸いながら、1の姿勢をキープしたまま後ろに転がる。

 

ローリングライクアボール |

3.息を吐きながら起き上がる。勢いをつけて転がらないよう注意しながら、2と3を8回繰り返す。

反り腰で伸展しすぎた腰椎をしなやかに屈曲させて、可動性をUP。

屈曲時痛タイプに効くピラティス。

シングルストレートレッグ

シングルストレートレッグ1.仰向けで両膝を抱え、頭を上げて腹筋を縮めたスタートポジションに。

シングルストレートレッグストレッチ

2.両手を頭の後ろで組み、息を吐きながら片脚を真上へ、反対の脚は床から浮かせて上下に開く。

シングルストレートレッグ

3.内くるぶしがすれ違うように左右の脚を入れ替え、呼吸に合わせて2と3を8セット繰り返す。腰を守るため、最後は1に戻ってフィニッシュ。

ハムストリングスを伸ばしつつ腸腰筋を強化して股関節の可動性を高め、腰椎への負担を軽減。

スイミング

スイミング

1.うつ伏せで両手足を伸ばし、両脚は股関節から、上体は胸までを床から浮かせる。

スイミング

2.対角の手と脚をさらに上げる。

スイミング

3.逆側の手脚に入れ替えて、リズミカルに呼吸に合わせながら徐々にスピードを上げて2と3を30回行う。

腹筋を利かせながら、胸椎を伸展させてしなやかに。お尻の強化にも。

ブックオープナー|どの腰痛タイプにも効くピラティス。 

ブックオープナー

1.横向き寝で両脚を「く」の字に曲げ、カラダは床と垂直に。両手を前に出して中指を合わせる。

ブックオープナー

2.息を吸いながら上側の手を滑らせるように横へ開く。

ブックオープナー

3.カラダの反対側へ伸ばしていく。骨盤の位置は変えずに目線を後ろへ向け、胸椎だけをひねる。

ブックオープナー

4.伸ばした腕を目線とともに息を吐きながら大きく戻し、1に戻って8回行い、逆側も。

腰椎よりねじりの可動性が大きい胸椎の柔軟性を高め、腰への無理なダメージを防ぐ。

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