健康的なカラダ作りの最適解は、断食よりも「腹7分目」!

空腹感はストレスではなく、体をリセットし活性化するサイン。過剰な栄養摂取から一歩引くことが、健康への近道だ。無理のない習慣が、体の内側から健康と活力を引き出す。

取材・文/板倉みきこ イラストレーション/ハニュウミキ 監修/満尾 正(満尾クリニック院長)

初出『Tarzan』No.900・2025年4月3日発売

ほどほどの空腹感が心身を休める
教えてくれた人

満尾 正(みつお・ただし)/〈満尾クリニック〉院長。2002年、日本初のキレーション治療とアンチエイジングを中心としたクリニックを開設。食事療法に関する著書多数。

断食で懸念すべき「心身へのリスク」とは?

心身の活性化に大切なのが、細胞のオートファジー機能。細胞内の不要なものを分解・浄化し、さまざまな病気から生体を守り、過剰な老化を抑制してくれる、生命維持に欠かせない機能だ。以前は、飢餓状態を作ると機能を促進できると考えられ、断食が推奨された。

「断食は心身へのストレスが増すリスクも懸念されます。腹7分目を三食心がけ、ほどよい空腹感を感じられるようにすれば、オートファジー機能は維持できます」(医学博士の満尾正さん)

空腹を感じることでホルモンの分泌は促され、解毒システムを担う胆汁が生産され、体内時計の乱れが改善される。さらに、気をつけたいのがプロテインやアミノ酸の過剰摂取だ。

「代謝するために肝臓の負担が増し、肝機能が低下。心身の疲労を促進する可能性もあるので問題です。偏食をやめると、疲労感が軽減することもありますよ」

「正しいファスティング」のための3箇条。

1.絶食より、三食腹7分目を目指す。

絶食後の食事で血糖値の急上昇が起き、心身への負担が増す可能性がある。また絶食時の疲労感や頭痛などもストレス。適量を定期的に食べるのがおすすめ。

2.プロテイン、アミノ酸は適量を維持。

タンパク質の推奨摂取量はアメリカでも日本でも、体重1kgにつき0.8g程度。過剰に摂取すると代謝に負担がかかり、肝臓や腎臓の機能低下につながる。

3.ほどよい空腹感が心身へのごほうび。

多くの人が普段食べすぎていて、間食も多く、内臓が休む時間がないのが問題。空腹感が心身を活性化させる鍵。何を食べるかだけではなく、食べ方にも注目を。

正しいファスティングを実践することで得られる効果。

  • 細胞の疲労回復。
  • 腸内環境の改善。
  • 体内時計の乱れを改善。
  • ホルモンの分泌を促進。