
教えてくれた人
牛尾理恵(うしお・りえ)/健康的でおいしいレシピに定評がある。著書に『おいしく食べて美やせ体質になる! たんぱく質の絶品おかず』(扶桑社)など。
こんなに摂ってもカラダにいい!
「オイルの摂りすぎは健康に悪い」という根拠のない誤解を、鮮やかに覆した研究がある。
「1週間に1Lのオリーブオイルを渡されて、最低560mL消費するように指示されたグループは、オイルを制限したグループよりも、心臓病のリスクが30%ほど下げられたのです」(北里大学北里研究所病院の山田悟医師)
オイルは大さじ1杯15mLだから、560mLは大さじ37杯強に相当する。ハードルは高そうだが、オリーブオイルを世界一消費するギリシャ人の週間消費量は500mL超というデータもある。オイルファーストを心がけていれば、実現不可能な数字ではないのだ。
ここでは1週間でオリーブオイル560mLを使い切る完全レシピを紹介。オイルを食生活に上手に取り入れるコツを学ぼう。
1週間チャレンジの基本ルール。
- 1週間で最低560mL(大さじ37杯強)のオリーブオイルを使い切る。
- 使ったオリーブオイルは、器に残さず極力摂り切る。
- 紹介した料理2品は一度に食べなくてOK。朝昼晩で食べ切る。
月曜日|刺身と合わせてカルパッチョに。
新鮮な刺し身は醬油とワサビで食べるのが日本人の常識だが、たまにはオリーブオイルをかけてカルパッチョに。ナスは野菜の中でもトップクラスにオイルを吸収しやすい。より吸収率を上げるため、断面積を拡げるようにカット。

鮮魚のカルパッチョ|大さじ2
作り方
- 鯛などお好みの刺し身(120g)、ベビーリーフ(30g)を器に盛る。
- 塩(ふたつまみ)、コショウ(少々)、レモンの搾り汁(小さじ2)、オリーブオイル(大さじ2)、醬油(小さじ1/2)をかける。
ナスのオイル焼き|大さじ4
作り方
- ナス(2本)はヘタを取って縦4等分に切り、ニンニク(1片)と一緒にオリーブオイル(大さじ4)を熱したフライパンで焼く。
- 塩(ふたつまみ)、コショウ(少々)、カレー粉(ふたつまみ)を振って味付け。
火曜日|トマトを煮込んで「飲めるオイル」の完成。
トマトと鶏肉は、オリーブオイルとの相性抜群。互いを引き立て合う鉄板の組み合わせだ。トマトが溶け出したオイルはスープのように飲める。食パンをオリーブオイルで揚げ焼きしたクルトンは、ドーナッツのような食べ応え。

トマトと鶏肉のオイル煮|大さじ2
作り方
- 食べやすく切った鶏もも肉(1/2枚、150g)に塩、コショウ(各少々)を振り、オリーブオイル(大さじ1)を熱したフライパンで焼く。
- ざく切りにしたトマト(1個)、ニンニク(1片)、オリーブオイル(大さじ1)を加えて蓋をし、5分ほど煮たら、塩(ふたつまみ)、コショウ(少々)で味付けする。パセリ(適量)を散らして盛り付ける。
カリカリクルトンサラダ|大さじ4
作り方
- 8枚切り食パン(1枚)を食べやすくちぎり、オリーブオイル(大さじ3)を熱したフライパンでカリッと焼く。
- お好みのグリーンサラダ(100g)に散らし、オリーブオイル(大さじ1)、塩(ふたつまみ)、コショウ(少々)、酢(小さじ2)を適量振る。
水曜日|糖質オフ麺も大満足。
おからやこんにゃくなどで作られた糖質オフ麺はロカボの味方。オリーブオイルと麺つゆをかけると、暑い季節もあっさり食べられる。卵炒めを作る際、オリーブオイルをたっぷり入れるとふわふわに。味付けはキムチで決まり。

トマトとオイルの糖質オフ麺|大さじ2
作り方
- トマト(1個)は1cm角に切る。
- 小口切りの万能ネギ(5g)、麺つゆ3倍濃縮(50mL)、オリーブオイル(大さじ2)、水(50mL)を合わせる。
- 水気を切った糖質オフ麺(1玉)にかけていただく。
ブロッコリーとキムチのふんわり卵炒め|大さじ3
作り方
- ブロッコリー(80g)、キムチ(50g)をオリーブオイル(大さじ3)で炒める。
- 1に塩、コショウ(各少々)、卵(2個)をボウルで混ぜ合わせたものを加えて炒め合わせる。
木曜日|味噌汁がクリーミーで濃厚に。
大根おろしはオイルを存分に吸ってくれる。カツオのような魚だけではなく、豚しゃぶにかけるのもアリ。ナスと並び、オイルの吸収率が高いのがきのこ。オリーブオイルは味噌との相性も良く、味噌ラーメンのような濃厚な味わい。

カツオのたたきオリーブオイルおろし|大さじ2.5
作り方
- カツオのたたき(120g)を器に盛り、塩、コショウ(各少々)を振る。
- 大根おろし(150g)、オリーブオイル(大さじ2.5)、醬油(小さじ1)をかけて、かいわれ大根(適量)を乗せる。
きのこの味噌汁|大さじ3
作り方
- 舞茸(50g)、薄切りにしたシイタケ(2枚)、エノキダケ(50g)をオリーブオイル(大さじ3)で炒める。
- しんなりしたら、だし汁(200mL)を加えて3分ほど煮て、味噌(小さじ2)を溶く。
- 仕上げに九条ネギ(青ネギ)の小口切り(適量)を散らす。
金曜日|メカジキの蒸し焼きもふっくら。
パサつきやすいメカジキも、酒とオリーブオイルでフライパン蒸しにすると、ふっくらした仕上がりになる。ここでも味噌がいい仕事をする。オイル煮の野菜は、好きなものでOK。コクのあるオイル煮なら、塩分控えめで作れる。

メカジキのフライパン蒸し|大さじ2
作り方
- メカジキ切り身(80gを2切れ)、野菜炒めミックス(キャベツやタマネギがカットされているもの、250g)をフライパンに乗せ、酒(100mL)を回し入れる。
- オリーブオイル(大さじ2)、味噌(大さじ1)を合わせたタレをかけたら、蓋をして中火で10分ほど蒸す。
野菜のオイル煮|大さじ3
作り方
- ミニトマト(10個)、ズッキーニ(1/2本)、カボチャ(100g)を食べやすく切り、オリーブオイル(大さじ3)、塩(小さじ1/4)と合わせて煮る。
土曜日|鶏胸肉をしっとりと焼く。
鶏胸肉は皮付きのまま小麦粉をまぶしてオリーブオイルでしっとり焼く。オイルを吸わせたきのこをソースの代わりに乗せて、一緒に食べると満足感アップ。具だくさんのミネストローネはオリーブオイルを加えると味に深みが出る。

チキンソテー きのこオリーブオイルソース|大さじ4
作り方
- 鶏胸肉(1/2枚、150g)に塩、コショウ(各少々)を振り、小麦粉(少々)を薄くまぶしてオリーブオイル(大さじ1)を熱したフライパンで焼く。
- 鶏肉を取り出し、そのフライパンにオリーブオイル(大さじ3)を足して熱し、シメジ(50g)、エノキダケ(50g)、薄切りにしたシイタケ(3枚)、ニンニクの薄切り(1片)を炒め、塩(ふたつまみ)、コショウ(少々)、醬油(小さじ1/2)で味付けする。
- 2をソース代わりにチキンソテーにかける。ベビーリーフ(適量)などを添えて盛り付ける。
ミネストローネスープ|大さじ1
作り方
- 温めたミネストローネ(市販品)にオリーブオイル(大さじ1)を混ぜる。
日曜日|最後の追い込みはやっぱりアヒージョ!
アヒージョは、オリーブオイルとニンニクで食材を煮込むスペイン料理。カーボラストで、最後は食材の旨みが溶け出たオイルにパンを浸して余さず食べよう。カプレーゼは、トマト、チーズ、トマトが調和するイタリア風のサラダ。

魚介のアヒージョ|大さじ4
作り方
- エビ(80g)、タコ(80g)、ブロッコリー(50g)、エリンギ(1/2本)、ジャガイモ(1/2個)を適当な大きさに切る。
- 1と、ニンニク(1片)、オリーブオイル(大さじ4)、塩(小さじ1/4)をフライパンに入れて中火にかけ、5分ほど煮て火を通す。
カプレーゼ|大さじ1.5
作り方
- 食べやすく切ったモッツァレラチーズ(1/2個、50g)と半分に切ったミニトマト(10個)、バジル(4枚)をオリーブオイル(大さじ1.5)、塩、コショウ(各少々)、酢(小さじ1)で和える。




















