野球場で、ととのってみる? 全国の個性派サウナ9選。

熱さ、冷たさ、歴史、ロケーション、デザイン性。ある一点が極端に突き抜けたサウナだけが持つ、特別な世界へようこそ。

取材・文/石井 良 撮影/今津聡子 イラストレーション/岡田成生 監修/松尾 大

初出『Tarzan』No.914・2025年11月6日発売

野球観戦できるサウナのイラスト

個性が突出したサウナの数々。

“ととのう”という言葉でサウナの気持ちよさが言語化されたことで、若者や女性にまで火がついたサウナブーム。「ブームが業界にもたらした変化は計り知れません」と語るのは、ブームを牽引するサウナ専門集団〈TTNE〉のととのえ親方こと松尾大さん。

「昔はガラガラだったサウナに行列ができるようになり、需要が急増したことで多種多様なサウナが生まれました。貸し切りで入れる個室サウナをはじめ、既存の施設もサウナに力を入れたリニューアルが目立ちます」

サウナ人口が増え、楽しみ方が多様化すれば、存在感を増してくるのが、一風変わった魅力を持つサウナたち。ある一点が突出した“突き抜けサウナ”だ。

「際立って熱い・冷たい温度はもちろん、ロケーションやデザインにこだわるサウナも増えました。いまや野球場にもサウナがあるんだから、良い意味で“ブームもここまで来たか”って感じですよね。それに、昔からある個性的なサウナにもスポットライトが当たるようになったのも嬉しい。サウナは突き詰めるほど、面白いんです」

新旧問わず、個性派のサウナが揃う今こそ、最高のサウナ体験ができる絶好の機会だ。

「まだ見ぬサウナがもたらす、突き抜けた体験を求めて、ぜひ新しい扉を開けてみてください」

主なサウナの種類

【ドライ】

  • ドライサウナ
    高温低湿度で、熱いところでは100℃以上。熱源は、遠赤外線(ガス)や電気など。

【ウェット】

  • フィンランド(ロウリュ)
    サウナストーンに水をかけて蒸気を発生させる「ロウリュ」が特徴。低温高湿度。
  • ミスト(スチーム)
    室内は蒸気で満たされ、湿度はほぼ100%。40℃〜60℃の低温で、じっくり温まる。
  • 塩サウナ
    カラダに塩を塗って入る低温高湿度のサウナ。スクラブ効果と発汗作用で肌がすべすべ。
  • テントサウナ
    断熱性の高いテントの中に薪ストーブを設置して楽しむ屋外サウナ。水風呂は川や湖。

1.日本で一番土地の高い場所にあるサウナ。|91° SAUNA(東京・銀座)

91° SAUNA(東京・銀座)

銀座7丁目に立つ、スタイリッシュな木造ビル〈SALON 91°〉。その最上階に位置する〈91° SAUNA〉は、銀座の空を独占するインフィニティテラスでの外気浴が楽しめる贅沢なサウナだ。

2フロアに分かれ、11階には日本文化をテーマにした3つの貸し切りサウナを用意。外気浴ができる部屋もあり、最大3人で楽しめる。12階は、天井高のある大空間に、サウナストーンがごろっと詰まった《iki》ストーブが鎮座する男性用のパブリックサウナ。

15分ごとのオートロウリュ、肩まで浸かれるバイブラ(気泡)付きの深い水風呂だけでも極上だが、極めつきは、屋上のインフィニティテラス。火照ったカラダを木材をふんだんに使用したデッキに委ねれば、銀座の夜景を独り占めできる唯一無二の贅沢なととのいタイムが待っている。

〈91° SAUNA〉

概要:男性のみ、不定期レディースデイあり
種類:オートロウリュサウナ(12F)
サウナ温度:95℃
水風呂温度:15℃
最大収容人数:15人(12F)
ストーブタイプ:電気(iki)

入浴料:1,980円(60分、無料の会員価格/12F)〜、●東京都中央区銀座7-3-6 銀座髙木ビル11F・12F。◯12:00〜23:00、土・日・祝10:00〜23:00、第1火休。WEBサイト

2.世界初・球場内のサウナ。|tower eleven onsen & sauna(北海道・北広島)

tower eleven onsen & sauna(北海道・北広島)

北海道日本ハムファイターズの本拠地・エスコンフィールドの左翼スタンドに、なんとサウナと天然温泉が。窓越しにグラウンドを一望することができ、試合がある日には、熱気と歓声に包まれながら汗を流す唯一無二の体験が可能だ。

サウナ室の木材には、野球のバットに使われるアオダモやヤチダモを使用。ロウリュ水にはトドマツのアロマが香り、五感で北海道の自然を感じられる仕掛けも見事だ。

サウナ以外には、天然温泉に加えて、フィールドを一望できる24席限定の最前列シート「ととのえテラスシート」も設置。試合がない日にも営業しており、広大なフィールドを眺めながらのととのいは格別。ちなみに、球場内の温浴施設は世界初。野球ファンならずとも、このエンターテインメントサウナは体験の価値アリだ。

〈tower eleven onsen & sauna〉

概要:男女共用(水着着用)
種類:セルフロウリュサウナ
サウナ温度:90℃
水風呂温度:15℃
最大収容人数:30人
ストーブタイプ:電気(対流式)

入浴料:2,500円(非試合日・一般)〜、●北海道北広島市Fビレッジ1番地。◯11:00〜21:00、無休。※試合・イベント開催日は営業時間、料金が異なります。WEBサイト

3.日本サウナの原点、1300年の歴史をもつ。|塚原のから風呂(香川・さぬき)

塚原のから風呂(香川・さぬき)

約1300年前、奈良時代に行基という高僧が讃岐を訪れた際、庶民の病気を治すために造られたとされる日本最古の蒸し風呂。

その仕組みは、極めて原始的。石で作られた部屋の中で薪をごうごうと燃やし、炭になった頃に塩水を含ませたムシロを被せて鎮火、扉を閉め、1時間ほど蒸らしてから入るというもの。温度は150℃にも達するため、着衣で入る。長袖長ズボン、さらに頭巾の上から毛布を被って入るというのが昔からのスタイルだ。それでも、ものの数分で大汗かくこと間違いなし。

部屋は2つあり、毎回、9時半と15時に薪を燃やして部屋を交互に暖めるため、熱して間もない部屋が「あつい方」、時間が経ったほうが「ぬるい方」となる。日本の温浴文化のルーツを辿る、歴史遺産的サウナ。記憶に残る貴重な体験となるはずだ。

〈塚原のから風呂〉

概要:男女共用(着衣)
種類:から風呂
サウナ温度:150℃
水風呂温度:なし(シャワーのみ)
最大収容人数:8人
ストーブタイプ:薪

入浴料:700円、●香川県さぬき市昭和1050-4。◯12:00〜21:00、月・火・水休。WEBサイト

4.最高級のプライベートバーニャ。|ジャヌ東京 ジャヌ ウェルネス(東京・虎ノ門)

ジャヌ東京 ジャヌ ウェルネス(東京・虎ノ門)

〈アマン〉の世界初姉妹ブランドホテル〈ジャヌ東京〉。約4000平方メートルもある広大なウェルネス施設〈ジャヌ ウェルネス〉では、専門の技術者による2〜4時間の極上のリラックスタイムを提供している。

舞台は、ロシア式の伝統的なサウナ「バーニャ」を備えるプライベートスパハウス。白樺などの枝葉を束ねたヴェーニクを使ったウィスキングを中心とした温冷浴を包括的にプロデュースし、一人ひとりに合わせたウェルビーイングを叶えてくれる。サウナという行為をラグジュアリーに昇華させた、最高峰のウェルネス体験がここに。

〈ジャヌ東京 ジャヌ ウェルネス〉

概要:完全プライベート個室
種類:ロウリュサウナほか
サウナ温度:76℃
水風呂温度:18.9℃
収容人数:2人
ストーブタイプ:電気

入浴料:バーニャ2時間200,000円〜/2名、●東京都港区麻布台1-2-2 ジャヌ東京。◯12:00〜22:00(スパハウス)、無休。WEBサイト

5.-25℃のアイスサウナ。|ウェルビー栄(名古屋・栄)

ウェルビー栄(名古屋・栄)

サウナの聖地〈ウェルビー栄〉で愛好家を魅了してやまないのが、フィンランド北部のラップランド地方を再現した「アイスサウナ」。扉を開くと、そこはなんと−25℃の氷の世界。足元の水風呂も、温度計の針は3℃を示す。この急激な温度差こそ、ウェルビーが提供する究極のととのいへの最短ルートだ。

そして、ウェルビーの代名詞といえばロウリュサービス、そしてウィスキング。さらに、ハーブを使い、ウェルネスとリラックスを追求するハーバルプログラムもスタート予定。五感で楽しむ最先端のサウナ体験がここにある。

〈ウェルビー栄〉

概要:男湯・女湯・混浴
種類:フィンランドサウナほか
サウナ温度:98℃
水風呂温度:3℃(アイスサウナ内)
最大収容人数:18人(高温サウナ)
ストーブタイプ:電気

入浴料:2,000円(平日2時間)〜、●名古屋市中区栄3-3-13。◯5:00〜24:00、無休。WEBサイト

6.室内サウナの最大級。|MONSTER WORK & SAUNA(東京・吉祥寺)

MONSTER WORK & SAUNA(東京・吉祥寺)

吉祥寺に君臨する、その名の通りモンスター級のサウナ。世界最大級という巨大なサウナ室には、なんと約100人を収容可能だ。その中央に鎮座するのは、サウナストーン1.7トンを飲み込む幅約3mの巨大ストーブ。20分に一度のオートロウリュが始まれば、室内はたちまち熱気に包まれる。

水風呂もプールのように大きく、休憩スペースも広々。混雑時でもストレスのないサウニングを叶えてくれる。広大な空間だからこそ味わえる、全身を駆け巡るダイナミックな温冷交代浴は圧巻の一言。このスケール感、ぜひお試しを。

〈MONSTER WORK & SAUNA〉

概要:男性のみ、不定期でレディースデイあり
種類:オートロウリュサウナ
サウナ温度:82.5℃
水風呂温度:14℃
最大収容人数:100人(男性)
ストーブタイプ:電気

入浴料:980円(1時間・男性)〜、●東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-3吉祥寺コスモビル地下1階。◯8:00〜24:00、無休。WEBサイト

7.日本でも湖でアヴァント。|HOKKAIDO AVANTO(北海道・上川郡)

HOKKAIDO AVANTO(北海道・上川郡)

アヴァントとは、フィンランド語で「氷に開けた穴」という意味。凍った湖に開けた穴を水風呂にしてしまう、フィンランドの伝統的な入り方だ。これを日本で体験できるのが、真冬の北海道・くったり湖に現れる〈HOKKAIDO AVANTO〉。

最大5種類のサウナでカラダを温めた後、待ち受けるのは0〜1℃という極寒の水風呂。キンキンのアイスバス後は、氷上のメリーゴーラウンド「アイスカルーセル」での外気浴や、露天のホットバスでカラダを休める。大自然と一体化する、野性的で忘れられないととのい体験が待っている。

〈HOKKAIDO AVANTO〉

概要:男女共用(水着着用)
種類:セルフロウリュサウナ
サウナ温度:90〜110℃
水風呂温度:0℃
最大収容人数:約30人
ストーブタイプ:薪・電気

入浴料:22,000円(2時間・平日)〜、●北海道上川郡新得町屈足808。◯10:00〜12:00、13:00〜15:00(1/10〜3/8のみ、要予約)、期間外は休業。WEBサイト

8.絶海の孤島にある究極の秘境。|青ヶ島ふれあいサウナ(東京・青ヶ島)

青ヶ島ふれあいサウナ(東京・青ヶ島)

東京から約360km、二重カルデラ構造が形成する青ヶ島。船の就航率は50〜60%といわれ、辿り着くことさえ困難な絶海の孤島にあるのが、火山の地熱蒸気を利用した〈ふれあいサウナ〉だ。

温度は50〜60℃と比較的低温だが、湿度が高く、じんわりとカラダの芯から温まるのが特徴。地球のエネルギーを直接肌に感じる体験は、ここでしか味わえない貴重なもの。すぐ近くには「地熱窯」があり、ここで卵や野菜を蒸かしておき、サウナ上がりに食べるのも一興だ。台風の被害により休館中だが、復活したらぜひ訪れたい。

〈青ヶ島ふれあいサウナ〉

概要:男性・女性
種類:スチームサウナ
サウナ温度:54℃
水風呂温度:なし
最大収容人数:8人
ストーブタイプ:地熱

入浴料:300円、●東京都青ヶ島村 無番地。◯16:00〜20:00、土・日14:00〜20:00、水曜休。

9.没入型アートでととのう。|SANA MANE SAZAE(香川・直島)

SANA MANE SAZAE(香川・直島)

瀬戸内海に浮かぶ芸術の島・直島にある、巻き貝のようなサウナ。「この島らしいサウナ」を、とサウナ好きのオーナーが思い立ち、実現したという。設計は、あの隈研吾事務所。約5000ピースの木材をヒダ状に重ねて組み上げた。内部には洞窟のような空間が広がり、複雑な凹凸がロウリュの蒸気をランダムに反射させ、瞑想的な体験を生み出す。

サウナを出て、瀬戸内の穏やかな海を眺めながらの外気浴もまた格別。サウナとアートが交差するこの場所では、ととのうという感覚さえも、ひと味もふた味も違って感じられるはずだ。

〈SANA MANE SAZAE〉

概要:男女共用
種類:セルフロウリュサウナ
サウナ温度:70℃〜
水風呂温度:約18℃(季節で変動)
最大収容人数:10人
ストーブタイプ:電気(HARVIA)

入浴料:宿泊者のみ利用可(一般料金なし)●香川県香川郡直島町横防2182。◯14:00〜19:00、無休。WEBサイト