できることからコツコツと。肝腎膵を労る24時間の過ごし方。

一日の生活の中でも特に重要視したい11のポイントをピックアップ。まずはできるところから。

取材・文/石飛カノ イラストレーション/ヨツモトユキ、松本セイジ 取材協力/川口 巧(久留米大学医学部主任教授)、栗原 毅(栗原クリニック東京・日本橋院長)、川村哲也(東京慈恵会医科大学客員教授)、高取優二(埼友クリニック外来部長)、伊佐地秀司(ヨナハ丘の上病院理事長) 編集/星野“cap”徹

初出『Tarzan』No.916・2025年12月11日発売

肝臓を労る習慣のイラスト集めたサムネイル

カラダを労る鍵は、一日の過ごし方にあり。

医療の進歩で寿命は延びても、臓器の寿命が勝手に延びてくれるわけはない。日々の食事と運動習慣という自助努力があってこそ、臓器は最期まで働いてくれるのだ。

期間限定でセルフメンテナンスを行うだけではもったいない。今後も続く生活の中で食事や運動や生活習慣をサステナブルに回してナンボの話。そこで最後に提案するセルフメンテナンスは生活習慣の見直し。朝起きてから夜眠るまでのリズムをどう整えるか、かるた形式でシミュレーション。

肝臓・腎臓・膵臓を表すイラスト

6:30|アラームより朝日で起きる。

6:30アラームなしで起きるイラスト

「自然の光で起きることで自律神経のバランスが整います。アラームで起こされることで交感神経が過剰に活性化すると血圧変動も起こるのでベターなのは太陽の光で起きることです」(埼友クリニック外来部長・高取優二さん)

自律神経のバランスが整うことはすべての臓器に有効。体内時計リズムも整うという嬉しいおまけつき。

7:00|目覚めたら飯よりまずは1杯の水。

朝イチに水を飲むイラスト

起きてすぐにパンに齧りつくのではなく、まずは1杯の水を飲む。

「睡眠中は呼吸や発汗で水分が失われ、軽い脱水症状になっています。血液がやや濃くなり、血流が滞った状態。腎臓の血流量も低下してしまいます」(東京慈恵会医科大学客員教授・川村哲也さん)。

腎臓の負荷を下げるために水または白湯の補給を。

7:30|遅刻を恐れずお口のケア。

7:30|口のケアのイラスト

口内には数億個の細菌が存在していて、腸と同様に善玉菌と悪玉菌がせめぎ合っている。ケアは必須。

「悪玉の歯周病菌が代謝機能に影響を与えて脂肪肝の原因になることも分かっています」(栗原クリニック東京日本橋院長・栗原毅さん)

「最近では口内環境の悪化が膵臓がんに関係するという研究論文も出てきています」(ヨナハ丘の上病院理事長・伊佐地秀司さん)

8:00|徒歩もいいけど自転車がさらによし。

8:00|自転車で出勤するイラスト

徒歩(公共交通機関)とチャリ。前者は階段の上り下りもあるし悪くはない。でも、継続的な有酸素運動という意味では自転車通勤の方が脂肪減にベター。

「2駅分の距離を電車で移動するのと自転車で移動するのとでは、後者の方が長くカラダを動かし続けるので有酸素運動としては効果的です」(高取さん)

10:00|オンラインよりもなるべく対面会議。

出社している様子のイラスト

日本人は世界一座っている時間が長いといわれる国民。オンラインではさらにその時間が長くなる可能性が高い。

「会議中に座っている時間は同じですが、対面会議ではその場まで移動する手間がかかります。また、直接コミュニケーションをとることで心理的にも満足感が高いと思います」(川村さん)。

12:40|ランチ後にまずは足踏み。

足踏みをしている男性のイラスト

ランチ後はほとんどの人が食後血糖値が爆上がり。放っておくとインスリンの大量分泌で今度は血糖値が急降下。肥満や脂肪肝、脂肪膵、動脈硬化の呼び水となる。よってランチの後は下半身の大きな筋肉を動かす軽い運動を取り入れたい。腎臓脚上げ体操などもおすすめ。

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14:00|パワーアップは14時までに。

デスクでお昼寝をしているイラスト

体内時計が刻むリズムで言うと、午後2時という時間帯にヒトは眠くなるようにできている。日中活動している間に生じるアデノシンという睡眠物質が一定量溜まり、体内時計のリズムそのものがこのタイミングで眠気を誘うから。この時間帯に30分以内のパワーナップをとることはカラダにとって有効なのだ。

15:00|間食は15時と決めて1回で。

間食をしている人のイラスト

体内時計のリズムを刻む時計遺伝子が作るタンパク質・ビーマル1は脂肪合成を促す。その活動は午後2時前後に最も活性度が低下するので、間食をするならこの周辺に1回で取るのがベスト。時間を決めずにダラダラ食べていると膵臓は働きっぱなし、余分なエネルギーが肝臓にも脂肪を蓄積させることに。

19:30|ディナーは寝る3時間前までに。

夜ご飯を食べているイラスト

「基本は1日3食食べることが大事ですが、気をつけてほしいのは夕食の時間が遅くなりすぎないこと。脂肪燃焼を促す成長ホルモンは22時から深夜に多く分泌されるので、この時間帯に消化活動をしていると脂肪が燃焼されにくくなります」(栗原クリニック東京・日本橋院長・栗原毅さん)

消化にかかる時間は約3時間。逆算して夕食を。

21:00|シャワーで済まさずぬるめの入浴を。

お風呂に入っているイラスト

「あらゆる疾患にはリラックスすることが非常に重要。シャワーではなく湯船に浸かることはおすすめです」(伊佐地さん)。

「理由は分かっていませんが、昔から肝臓が悪い人は熱い湯に入るのはよろしくないといわれていて、ぬるめの湯をおすすめしています」(川口巧さん)。

入浴の目安は39度前後の湯に10分間。

22:30|8時間睡眠が肝腎膵を健やかに。

8時間寝た肝臓膵臓腎臓のイラスト

8時間睡眠が肝臓、腎臓、膵臓に好影響をもたらすという具体的なデータはない。ただし、「短時間睡眠の人は交感神経の過緊張が起きている可能性があります。副交感神経を働かせて血流を巡らせれば臓器の健康を保つための効率は良くなると思います」(高取さん)。

最低でも7時間、理想は8時間睡眠を確保。