ストレッチで解きほぐす!「硬くなった股関節」への8種目

股関節の安定やさまざまな動きに関わっている筋肉は全部で22個。このうち、どれかひとつでも機能しなければ、股関節は十分にパフォーマンスを発揮してくれない。股関節ケアの第一歩は、硬くなった筋肉をほぐすことから。8種目のストレッチを紹介。

取材・文/石飛カノ 撮影/安田光優 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 監修/中村直樹(アジアNOVASTストレッチ協会代表理事)

初出『Tarzan』No.862・2023年8月3日発売

「硬くなった股関節」への8種目

硬くなった筋肉をほぐす股関節ケア

緊張感がハンパない相撲の仕切りも芸術的なハードリングも惚れ惚れするようなゴルフのフィニッシュも、背景にあるのはファンクショナルな股関節。

股関節の動きを支持する22の筋肉のうち、どれかひとつでも機能しなければスポーツのパフォーマンスは上がらない。もちろん、日常動作にも支障が生じる。放置すれば悪姿勢がカラダに染み付き、腰痛や膝痛などにも繫がりかねない。

というわけで、40〜50代のうちから股関節ケアはマスト。まずは硬くなった筋肉をほぐすストレッチからスタートしよう。股関節を錆びつかせないために紹介するストレッチをひと通り行い、苦手な種目を習慣に。

ストレッチのやり方

各種目10〜20秒×2セット

① 屈曲のストレッチ A

屈曲のストレッチ A

長座の姿勢で床に座り、片脚を左右の腕で抱えて引き寄せる。このとき、抱えた脚と反対側の手が下になるように。膝が顎の下に来るようにできるだけ引き寄せてキープ。大臀筋の伸びを感じよう。逆も同様に。

② 屈曲のストレッチ B

屈曲のストレッチ B

はしごやテーブルなど腰骨の高さの台に片足を乗せる。そのまま軸脚の踵を床から浮かせ、全身を前傾させて台に乗せた足に体重をかける。台に乗せた側の内腿の筋肉と軸脚側の太腿前面がストレッチされる。反対側も。

③ 伸展のストレッチ A

伸展のストレッチ A

両足を大きく前後に開いて片膝立ちになる。膝を床につける位置が股関節より後ろになるように。前脚の膝の角度は90度。お腹を両腕で抱えて腰を丸めながら上体を前傾させる。股関節前面の伸びを感じよう。反対側も。

④ 伸展のストレッチ B

伸展のストレッチ B

床に座って両脚を大きく開く。カラダの前後に手をついてお尻を浮かせた姿勢から、お尻を床に落としてキープ。内腿の筋肉をストレッチする。無理に180度開脚をする必要はなし。90度以上なら十分。

⑤ 内転のストレッチ

内転のストレッチ

お尻の横と太腿の外側をストレッチ。肩幅より広めの幅で床に両手をつく。片脚は床と垂直になるよう膝を深く曲げ、反対側の脚を内側斜め後ろ方向にまっすぐ伸ばしてキープ。反対側の脚でも同様に。

⑥ 外転のストレッチ

外転のストレッチ

床の上であぐらをかく。左右の手を組んで両足の甲を摑む。リラックスした姿勢から膝をできるだけ床に近づけ、痛気持ちいいところでキープ。手で押さえるのではなくお尻の力を使って膝を下げると、内腿が伸びる。

⑦ 外旋のストレッチ

外旋のストレッチ

床に座り、片脚の膝を立てて足を逆脚の膝の外側で床につける。片手はカラダの後ろで床につき、逆の手は立てた膝の外側に置く。肘で膝を押しながら上体をツイストさせるとお尻の横の筋肉が伸びる。逆も。

⑧ 内旋のストレッチ

内旋のストレッチ

床に仰向けになり、膝を立てて脚を組む。両手はカラダの横で床につける。組んだ脚の方向に脚全体を倒し、床にくっつける。上体はまっすぐのまま、肩が床から浮かないように。お尻の横の深層にある筋肉が伸びる。逆も。