ヨガと気づき|vol.5

メルボルン出身・東京在住の人気イラストレーター、エイドリアン・ホーガンさんは、数年前にヨガを始めて以来、ライフスタイルが少しずつ変わってきたそう。ヨガが与えてくれるささやかな日々の気づきを、毎週コミックエッセイ形式で紹介します。

イラスト・文/エイドリアン・ホーガン


ぼくたちが目指すものと、私たちの置かれた状況は、時に相反することがある。ぼくがよく練習するスタジオでは、隣で絶え間なく工事が行われている。面白いことに、私たちがシャヴァーサナ(※)に入ると同時に工事が始まる。

これが現代のヨギーであることの試練なのかもしれない。大きな音を遮断することができるか、あるいはそれを受け入れることができるかどうかが、まさに東京でのヨガのひとときのような気がする。

※亡骸のポーズと呼ばれ、仰向けで横たわった状態。ヨガの最後に行う。

先生のコメント
工事の音があなたにとって騒音なのか、雑音なのか? もしくはアンビエントミュージックなのか。私たちは「雑音」や「雑草」と言いますが、それは自分が名前を知らない音や草に対して、今そこにあって欲しくない状況下で勝手に「雑」という言葉を付け加えたものです。

外音による雑念でなかなかシャヴァーサナ瞑想に集中できない。そんなときは
自分にとってその音がどんな意味を持つのか、瞑想中に問い詰めてみるのはどうでしょう。

一旦受け入れて、問い詰めてとことん掘り下げてみる、気が済むまで。
以外と大抵のことが大した事ではないと気づいたり。そうなると、その先の段階に思考やマインドもシフトしていきます。