直感頼りはもう終わり!正しい歯ブラシの選び方を歯科医が解説。
万人に合う歯ブラシはなく、歯並びや性格など異なる諸条件を加味して選ぶのが大切。予防歯科指導医の資格を持つ藤巻弘太郎さん(ぶばいオハナ歯科院長)に教えてもらったポイントを参考に、自分に適した一本を導き出そう。
編集・取材・文/板倉みきこ 撮影/中島慶子 取材協力/藤巻弘太郎(ぶばいオハナ歯科院長)
初出『Tarzan』No.913・2025年10月23日発売

教えてくれた人
藤巻弘太郎(ふじまき・こうたろう)/ぶばいオハナ歯科院長。歯科医。日本歯科大学大学院修了。日本睡眠歯科学会認定医、日本スポーツ歯科医学会専門医・指導医、ジャパンオーラルヘルス学会予防歯科認定医・指導医など。
ポイント1.ヘッドの幅と長さ|大は小を兼ねないと肝に銘じ、口に合うものを厳選。
歯ブラシヘッドの長さは約2cm、植毛は3、4列程度が一般的。
「“大は小を兼ねず、小は大を兼ねる”という考えが歯ブラシの基本です」。
効率よく広範囲が磨けると謳うヘッドの縦横が幅広な歯ブラシを見かけるが、大きすぎると奥歯の裏側に届かず、歯並びが悪いところは当てにくい。
「口の大きさや歯並びには個人差があるので、自分が磨きやすい幅と長さを見極めましょう」。

ポイント2.ブラシの硬さ|硬いから磨けるのではなく、“普通”の硬さで十分。
ブラシは硬い方がしっかりと磨け、汚れを搔き取ってくれそうだが……。
「毛先が歯と歯肉の境目や、歯と歯の間に入りにくく、さらに磨けている気になってしまい磨き残しが起きやすいのです。また刺激が強いと、歯や歯肉を傷つけてしまう可能性も」。
歯肉が健康なら、万人が扱いやすい“普通”タイプを。出血があったり、痛みがある人は“やわらか”タイプを選ぼう。
ポイント3.毛先・毛束の形状|毛先ラウンド×毛束フラットが基本の組み合わせ。
毛先の形状や全体のカットの仕方により、さまざまな組み合わせがある。それぞれに特徴があり、毛先の代表的なものは上記2種。ラウンド型とテーパー型の毛の両方が植毛された2段植毛タイプも。また毛束の形状には、磨きやすいフラット型、清掃力を高める山型などがある。
「まずは隅々まで磨きやすいフラット型を使い、歯磨きの基本を身につけるといいと思います」。
テーパード

先端に向かって細くなる、先細りになった毛先。歯と歯肉の境目に届きやすく、やさしい当たり心地。歯茎がデリケートな人や歯周病予防に役立つ。
ラウンド

丸く加工された毛先。歯ブラシの中で最も多く、扱いやすい。歯の面に接触する面積が大きく清掃性が高いので、プラーク除去に優れむし歯予防に最適。
ポイント4.歯ブラシの替え時|効率と衛生面から、最低1か月に1回は交換を。

多くの歯科医院が推奨する交換頻度は1か月に1回。ブラシの裏側から見て毛先がヘッドからはみ出していたら、歯垢の除去効率低下のサイン。1か月以内でも交換を。また、1mgの歯垢の中に含まれる細菌の数は約1億個以上といわれる。
「歯ブラシを毎回洗っていても、細菌は残り増殖していくもの。衛生面から見ても、できれば2週間〜1か月に1回は交換したいですね」。
ポイント5.むし歯ができやすい人は、フロスも併用|補助清掃具に頼り、磨き残しをフォロー。

むし歯になりやすい場所はフロスなどを併用し、歯ブラシだけでは落とし切れない、歯と歯の間などの磨き残し部分をケアしよう。
「フロスは歯の表面に沿わせ、汚れをこそぎ取るイメージで使います。ただある程度の技術が必要。多少値段は上がりますが、柄付き(写真左)の方が扱いやすいですよ。また凹みに届きやすい歯間ブラシ(写真右)は、歯の隙間の掃除に使えます」。


