掴み、登り、成長する。親子で楽しむボルダリング。

木登り上手な娘を見て、父はボルダリングに誘った。「彼女がどんどん上手くなっていくのがたまらなくうれしい」と語る。

取材・文/鈴木一朗 撮影/小川朋央 編集/堀越和幸 撮影協力/B-PUMP TOKYO 秋葉原

初出『Tarzan』No.915・2025年11月20日発売

親子で楽しんでいるボルダリングの画像
Profile

ジェリー鵜飼(じぇりー・うかい)・六花(ろっか)/1971年生まれ。イラストレーター。広告ディレクション、アートワーク提供などで活躍。〈ハナレグミ〉のジャケット制作にも関わる。トレイルラン、フライフィッシングと自然に接する遊びが得意。娘の六花さんは9歳。

自然の中で遊ぶという贅沢。

親子でボルダリングマットを持って山を登る画像

奥多摩に大きな岩がゴロゴロと転がっている。そして、これに登ろうと多くのボルダーがやってくる。イラストレーターのジェリー鵜飼さんと小学校4年生の娘・六花さんもコレが楽しみのひとつ。

「娘が、家の近くの公園で木登りしていて、じゃあボルダリングをやってみようかということで」

近所のボルダリングジムに行き始めたのが1年前。二人でシューズを買って。ただ、ジェリーさんは見るだけになる。うまく登れないのが恥ずかしかったのだ。

でもトレイルを走ったり、沢登りしたり自然が大好きだったので、人工壁じゃなくて本物の岩なら、ということで六花さんを誘い出した。

履き慣れたマイシューズは爪先が引っかかればクイクイ登れちゃう。

迫り出したオーバーハングだって躊躇しない。絶妙なムーブ。

「パパより上手いね」と言うと、はにかむ彼女。ジェリーさんは、

「カラダが柔らかいですから。ただ、僕も感じていることがあって。2、3年前に五十肩で腕が上がらなくなったんですが、岩登りを始めたらなくなったんですよ」

岩に上に六花さん、ボルダリング中のお父さん

六花さんが「まだ登れないの」と呆れているのか、それとも「カッコイイなぁ」と感じているのかは、真剣に登っているお父さんにはわからない。

登り終わったらチョークをブラシで落とす。マナーですな、これ。

自然の中、親子で話しながら登る。が、子供には楽しいだけではない。岩は大人が見るのと違い、彼女の眼にははるかに大きく立ちはだかっている。大冒険なのだ。

「人間、ピンチになると頭が回転するというじゃないですか。高い所で格闘している姿を見ると、きっと脳にいいはず、なんて思ったりしています」(ジェリーさん)

「こっからなら登れるかも」と父。「うん」と娘。多摩川が流れる渓谷に親子のやわらかな声が響く。

岩場に座るのだって、もう何でもない。慣れたモノだ。親子二人で自然の中で遊ぶのはホントに楽しいです。