風邪の引き始めに。即席薬膳が回復の最短ルート!
「風邪かも?」と思った時の対策で差がつく。薬に頼る前に、食べて整える。回復を早める最短ルートとなる、即席薬膳レシピをご紹介。
取材・文/板倉ミキコ 撮影/谷 尚樹 スタイリスト/矢口紀子 編集/阿部優子
初出『Tarzan』No.919・2026年2月12日発売

教えてくれた人
ちづかみゆき/料理家・国際中医薬膳師。生薬でもあるスパイスを使った、無国籍でヘルシーな料理が得意。上海やボストンでの活動経験もある。東京で料理教室〈meixue〉を主宰。近著は『大人の心と体を整える 腸活薬膳のはじめ方』(翔泳社)。
瀬戸郁保(せと・いくやす)/鍼灸師・国際中医師。日本中医会会長。漢方薬の登録販売者でもあり、東京・表参道で〈源保堂鍼灸院〉に〈薬戸金堂〉を併設して運営する。鍼灸、漢方薬、薬膳の3本柱でクライアントの健康をサポート。
「風邪かな?」と思った時の食養生。
初期症状に向くレシピ。薬膳の中でも、今まで紹介してきたのが日々の健康増進に向く「食養」ジャンル。ここでは、不調改善を目的とした「食療」と呼ばれるジャンルを、風邪にフォーカスして紹介する。
「薬ではなく薬膳で対応できるのは、初期症状の段階です。早めに対応すれば、こじらせることが減ります」(瀬戸さん)
代表的な3つの初期症状別に、ちづかさんがレシピを考案。
「温め、潤す作用がある食材などを組み合わせました。風邪をひくと胃腸が弱まりやすいので、生ものや冷たいものなど、消化に負担がかかるものは控えるのも養生です」(ちづかさん)
熱っぽい時の「コンビーフと長ネギ、生姜の雑炊」。
熱っぽく感じたら、カラダを即座に温めて発汗作用のある生姜と、温め作用のあるネギの力を借りて熱を飛ばす。風邪に負けない体力もつけたいので、気と血を補う卵とコンビーフを加え、消化に良い雑炊に。

材料(2人分)
- パックご飯(180g入り)…1個
- コンビーフ(80g入り)…1個
- 長ネギスライス(市販)…50g
- おろし生姜…大さじ1(チューブでも)
- 水…2カップ(400mL)
- 塩…2つまみ
- コショウ…少々
- 温泉卵(市販)…2個
作り方
- 大きめの耐熱ボウルに温泉卵以外の材料を入れ、ふんわりとラップをかけて電子レンジ(600W)で5分加熱し、よく混ぜてからさらに2分加熱する。
- 器に盛り、温泉卵を乗せる。お好みでさらにコショウを振る。
透明な鼻水には「コーンとカット長ネギのスープ」。
ダラダラと透明な鼻水が出るときは体内が冷えている証拠。長ネギの温め作用と、カレー粉に含まれるスパイスにも温め作用を期待できるので、じんわりカラダが温まる。コーンには、余分な水分を排出する作用が。

材料(2人分)
- スイートコーン(ドライパック60g入り)…1袋
- 長ネギスライス(市販)…50g
- 【A】
水…500mL
鶏ガラスープの素…大さじ1
醬油…小さじ1
カレー粉…小さじ1/4 - 粗挽き黒コショウ…適宜
作り方
- 鍋にを入れて火にかけ、沸騰したらコーンと長ネギを加える。
- 再沸騰したら火からおろして器に盛り、お好みで粗挽き黒コショウを振る。
喉が痛いなら「リンゴとハチミツのコンポート」。
乾燥タイプの喉の痛みに。乾いて荒れた喉を潤し、炎症を鎮め、回復を助けるリンゴとハチミツの組み合わせ。リンゴは冷やす作用が強いので、電子レンジで温めると穏やかに作用する。すりおろしてもいい。

材料(2人分)
- カット皮むきリンゴ(コンビニのもの)…80g
- ハチミツ…大さじ1/2
- EVオリーブオイル…小さじ1
作り方
- 耐熱容器に材料すべてを入れて混ぜ、ふんわりとラップをかけて電子レンジ(600W)で2分加熱する。
これさえあれば、なんでも即席薬膳に。
普段食べている食材は、味や色、性質によってカラダにさまざまな影響を及ぼすが、より効能を発揮するのが生薬にも使われる食材だ。そこでここでは、スーパーなどでも手に入りやすい食材5つを紹介する。
「私も、朝食のグラノーラやヨーグルトにクコの実を加えています。トッピングに使うだけ、混ぜるだけでいいので、とても簡単です。食養生は、難しく考える必要はありません。そのときカラダが欲している食べ物に、ほんの少し薬膳の知恵を取り入れていけば、自然とカラダが整っていくのではないかと思います」(ちづかさん)
シナモンパウダー|ラテやコーヒー、紅茶に。
シナモンの薬膳での名称は桂皮。カラダを芯から温め、血と気を巡らせる温活に向くスパイスだ。香りの作用で気を巡らせ緊張をゆるめるので、気滞タイプにもおすすめ。

作り方
ラテなど好みのドリンクに適量を振る。
黒ゴマ|ふりかけ
血を補い、若さと潤いを保つ腎の機能を支える食材。セサミンやビタミンEが豊富で栄養学的にも優秀。すりつぶすと吸収が良くなる。ホウレンソウのおひたしなどおかずにも振りかけ、こまめに摂取を。

作り方
削り節(1g入りパック)をパックのまま揉み、パックの封を切って黒すりゴマ・大さじ1と塩・少々を加え、軽く混ぜ合わせる。
クコの実|グラノーラに
血と潤いを養い、漢方薬と薬膳の両方で使用頻度の高い代表的な滋養生薬。生薬名は枸杞子。かすみ目や目の疲労などにも効能が。最近では取り扱うスーパーも増えている。

作り方
グラノーラに適量を混ぜる。
とろろ|ホウレンソウのゴマ和えに
長芋、大和芋、自然薯などをまとめて生薬では山薬と呼ぶ。消化吸収力を高め、気を補う代表的な食材。すりおろし直後が一番効能が高いが、手軽な冷凍タイプや粉末もある。

作り方
冷凍とろろ(小袋1袋)を解凍し、ホウレンソウのゴマ和え(市販の惣菜)にかける。
甘栗|インスタントのポタージュに
栗の生薬名は栗子。冷えや疲労対策に。ホクホクした甘さが栄養の吸収を促し、血の巡りを改善。アンチエイジング効果も期待できる。ただ消化しにくいので食べ過ぎには注意。

作り方
コーンポタージュのカップスープを作り、適当に手で割った甘栗適量を加える。サツマイモ、パンプキン、きのこのポタージュにもよい。

