穏やかに血圧を下げるストレッチで、血管もしなやかに。

カラダに柔軟性をもたらしてくれるストレッチが、血圧まで下げてくれる。それなら、やらない手はない!高血圧が気になる人にやってもらいたい、3種類のストレッチをご紹介。

text: Kenji Inoue photo: Hiromichi Uchida styling: Kohta Kawai hair & make-up: Toru Sakanishi

『Tarzan』No.932 on sale August 27, 2026.

血圧を下げるストレッチをしている様子
教えてくれた人

中野ジェームズ修一(なかの・じぇーむず・しゅういち)/米国スポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM-EP)。会員制パーソナルトレーニング施設〈CLUB100〉の技術責任者。オリンピアンや青学駅伝チームをはじめ、トップアスリートの信頼も厚い。

しなやかな血管づくりに、ストレッチが効く理由。

血管は筋肉の周辺や内部を通っている。つまり筋肉が硬いと血管が圧迫されやすく、血流は滞りがち、気になる血圧も上がりやすい。

そこで取り組みたいのは、硬い筋肉をほぐし、血管への圧力を軽減するストレッチ。ストレッチはその場で血圧を優しく下げるだけではなく、習慣にすると高めの血圧を正常値へ近づけてくれる。

ストレッチには、関節をダイナミックに動かす動的ストレッチと、筋肉を伸ばした姿勢で静かにキープする静的ストレッチがある。

「動的ストレッチで関節可動域を広げ、潤滑液(滑液)の分泌を促し、筋膜の抵抗を減らしてから静的ストレッチを行うと、筋肉は柔らかくなり、血管のストレスも抑えられます」(フィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一さん)

体幹の大きな筋肉をストレッチすると、血圧によりポジティブな作用が期待できる。そこで体幹を「胸郭まわり」「お腹と背中」「股関節まわり」という3大ゾーンに分け、動的×静的で血圧をマイルドに下げる方法を提案しよう。

ストレッチは優しく血圧を下げる。

立った時とストレッチ後の血圧の違いを表したグラフ

立ち上がると血圧が下がり、心拍数は上がる。肩と上背部のストレッチはそれと同様に血圧を下げつつ、心拍数の上昇は抑える。

Physiol Rep. 2025 Sep; 13(18): e70569.

1.胸郭まわりのストレッチ。

腕の大きく滑らかな動きでリードしつつ、猫背などで硬く狭くなりやすい胸郭をしなやかに開いていく。

動的ストレッチ|左右各10〜20回

胸郭まわり:動的ストレッチ

胸郭まわり:動的ストレッチ

 

胸郭まわり:動的ストレッチ

  1. 右側を下にして横向きに寝る。両膝を揃えて90度曲げ、両腕を肩のラインでまっすぐ伸ばし、両手のひらを合わせる。
  2. 大きな半円を描きながら左腕を左側の床につける。その際、左手の動きを目で追いながら胸を天井に向けて開き、最後は顔を左側に向ける。10〜20回続ける。
静的ストレッチ|左右各20秒キープ

胸郭まわり:静的ストレッチ

  1. フィニッシュで500mLペットボトルを左手に乗せて、さらに胸郭を深くストレッチ。呼吸をしながら20秒キープする。以上を、左右を変えて同様に行う。

2.お腹と背中のストレッチ。

胸郭と骨盤に挟まれたお腹と背中の筋肉をバランスよくケア。潰れた蛇腹を引き伸ばすように整える。

動的ストレッチ|10〜20回

お腹と背中:動的ストレッチ

お腹と背中:動的ストレッチ

お腹と背中:動的ストレッチ

  1. うつ伏せになり、両脚を腰幅でまっすぐ伸ばし、両手を肩の真下について上体を反らす。
  2. 反らした背骨を丸めるように背中を丸め、お祈りをするように両腕の間に頭を入れてお尻を踵に乗せる。10〜20回続ける。
静的ストレッチ|20秒キープ

お腹と背中:静的ストレッチ

  1. フィニッシュで手首の下に丸めたバスタオルやマットを置き、両腕を付け根から外向きに回す外旋を行い、さらに背中を深くストレッチ。呼吸をしながら20秒キープ。

3.股関節まわりのストレッチ。

もっとも大きな関節だから、それだけ大きな筋肉が多く付いている。それらをまとめてほぐして血流改善。

動的ストレッチ|左右各10〜20回

股関節まわり:動的ストレッチ

股関節まわり:動的ストレッチ

股関節まわり:動的ストレッチ

股関節まわり:動的ストレッチ

股関節まわり:動的ストレッチ

  1. 仰向けになり、両脚を腰幅で伸ばし、両腕を体側で「ハ」の字に開く。
  2. 床で右膝を腰の横まで引き寄せ、膝の角度を保ったまま股関節の真上まで回して引き上げ、腰を捻って右足を左側の床につける。10〜20回続ける。
静的ストレッチ|左右各20秒キープ

股関節まわり:静的ストレッチ

  1. フィニッシュで右太腿を左手で上から押さえ、顔を右側に向けてさらに股関節を深くストレッチする。呼吸をしながら20秒キープ。以上を、左右を変えて同様に行う。