筋トレのテッパンともいえるスクワット。数あるスクワット種目のなかでも『ターザン』のイチ推しは「フルスクワット」!
先日公開したこの記事では、あらゆるトレーニーが陥りがちなNGを6つ解説しましたが、正しいフルスクワットを習得するためには、①可動域を広げる、②踵荷重を覚える、③上体を起こす、という3つの目的別エクササイズが必須。
ということで、今回は「①可動域を広げる」ためのエクササイズを紹介します。
深くしゃがめないのは股関節のせい。
フルスクワットのいちばんの障害になりやすいのが、股関節の可動域が狭すぎること。深くしゃがめないのは、“足首が硬いから”と説明されることも多いが、清水忍トレーナー(IPF代表)はたとえスキーブーツで足首を固定しても、フルスクワットが行えるとか。
「硬いのは足首ではなく、股関節。股関節の外転と外旋が不十分だと、正しいフォームが作りにくく、深くしゃがめないのです」
ちなみに、外転は脚を外側へ開く動きであり、外旋は脚を外向きにひねる動きを指している。もともとヒトは、脚を大きく開いたり、爪先を大きく外に向けるような動作を日常生活で行うことはほとんどない。だから、外転と外旋が苦手な人が少なくないのだ。
股関節の外転と外旋の可動域を広げるために役立つのは、2種類の動的ストレッチ。股関節が柔らかくほぐれると、連動する骨盤の動きも良くなり、骨盤後傾も避けられる。さらに仕上げでは、つかまりスクワットを。
可動域を広げる3種目。
内転筋群のストレッチ
- 両膝、両肘を床につき、四つん這いになる。両膝と両足の踵を最大限に大きく広げる。両手は組む。
- そのままお尻を後ろに引いて、股関節の外転と外旋を邪魔している太腿内側の内転筋群をストレッチ。
- 元に戻し同様にお尻を小刻みに前後させる。
ヒップジョイント・ロール
- 右足を大きく前に踏み出してしゃがみ、右手を内側からクロスさせて右足の外側につく。左手はラクなところにつく。左足は爪先を立て、左膝を床から浮かせておく。
- 両手と両足のポジションを固定したまま、右側の股関節を時計回りで5回、反時計回りで5回、大きく回す。左右を変えて同様に行う。
つかまりスクワット
- 体重をかけても動かないものを両手で掴み、膝を大きく開いてフルスクワットのボトムポジションを取る。
- 両手を離すと後ろに転がるくらい、上体を思い切り後ろに反らして起こし、爪先が浮くほど踵荷重になる。
- 10cmほどお尻を浮かせたら、元に戻し、お尻を小刻みに上下させる。
自分の弱点を改善できたら、こちらの記事でフルスクワットに挑戦してみよう!