夏の疲労回復に「紫蘇」のゼッポリーニと発酵ドリンクを。| 8月のハーブ・紫蘇

日本人にとってはとても身近な植物である紫蘇も、新たに捉え直すことで可能性が広がっていくと、〈ハーブスタンド〉主宰の平野優太さんは言います。 抗酸化作用に優れた植物である紫蘇を使って、夏を乗り切るためのレシピを提案します。連載「ワンモア・ハーブ」第22回は「紫蘇」について。

text: Toshiya Muraoka photo: Nathalie Cantacuzino supervisor: Yuta Hirano, Shiori Kitayama(HERBSTAND) recipe: Takumi Abe

紫蘇

葡萄にいろんな品種があるように、青紫蘇と赤紫蘇では、同じ植物と言ってもまったく違う特徴があります。一番の違いは「酸」です。

食欲増進の効果があり薬味として使われることの多い青紫蘇は、爽やかな印象の酸味。赤紫蘇は、よりハーバルな酸を感じられるので、緑茶とブレンドしても面白い。合わせ方によってはハイビスカスのような酸味が感じられます。

〈ハーブスタンド〉では、赤紫蘇の新芽を手摘みして、乾燥させたドライハーブとして取り扱っていて、コンブチャに加えて色味や香り付けに使われたりもしています。

赤紫蘇は、アントシアニンやポリフェノールのような抗酸化作用に優れた成分が多い植物なので、防腐のために梅干しと一緒に漬けられてきました。防腐作用というよりも、腐りにくい環境を作ってくれる植物。梅干しのクエン酸に反応して、あの美しい赤に染まります。ビタミンB群が豊富なので、夏の疲労回復にはぴったりのハーブです。

こんなふうに使ってみるのはどう?

●「食べる」
紫蘇のゼッポリーニ

ー材料ー

薄力粉 100g
強力粉 100g
塩 5g
ドライイースト 2g
オリーブオイル 10g
ぬるま湯 180g
青紫蘇 2パック(約20枚)
梅ぼし(種を抜いて叩いたもの) 30g
揚げ油 適量

ー作り方ー

薄力粉、強力粉、塩、ドライイースト、オリーブオイル、ぬるま湯の順に素材を合わせ、混ぜたら30分間ほど発酵させる。発酵時はラップに通気穴をあけて。

青紫蘇と梅を刻み、発酵が終わった生地に混ぜる。

スプーンで生地を掬って一口大にして、160℃ほどに熱した油へ。スプーンを油に付けてから生地を掬うとくっつきにくい。

こんがり揚がったら完成。ツマミにもオヤツにも最高。

ゼッポリーニはイタリアの郷土料理で、ピザ屋さんが余った生地を揚げて出したのが始まり。日本ではアオサを混ぜたものが一般的ですが、今回は青紫蘇と梅を加えてみました。梅の酸味とのコントラストを楽しめるよう、香りの爽やかな青紫蘇を合わせています。もちろん、赤紫蘇でも美味しく作れます。生地を発酵させるのが手間に感じられるかもしれませんが、小麦粉にドライイーストを混ぜて、30分ほど待つだけ。ピザ生地は中力粉を使うことが多いのですが、日本では手に入りづらいため、薄力粉と強力粉を半分ずつ混ぜて使っています。

●「飲む」
発酵紫蘇ジュース

―材料―(1杯分)

水 1L
赤紫蘇 100g
砂糖 220g

熱湯消毒した容器に、茎から外して軽く洗った赤紫蘇を入れる。

砂糖を入れ、水を足す。今回は甜菜糖を使った。蓋をして、20〜25℃で発酵させる。一日に一度、ガス抜きをしてかき混ぜる。

4日目ぐらいから飲み頃に。ストレートでも美味しいが、炭酸や焼酎で割っても。完成後は中身を濾して、冷蔵庫で保管。1日1回、瓶を逆さまにして紫蘇全体に液体をかけるとカビ予防になる。

植物の葉っぱについた野生の酵母を利用して、発酵紫蘇ジュースを作ります。普通の紫蘇ジュースとの違いは、酵母が糖を分解することで、甘みが穏やかでシュワッとした辛口ワインのような飲み口になること。採取した土地、空気、温度で付いている酵母は異なり、それによって味わいも変化します。乳酸発酵ならば、乳酸菌が糖を分解して爽やかな酸味に、アルコール発酵ならば、炭酸がより感じられる果実酒のような華やかな香りに。いろいろ試して、自分だけのオリジナルドリンクを作ってみてください。赤紫蘇が空気に触れているとカビが生える可能性があるので、気をつけること。もしもモヤモヤとしたカビが出てしまったら迷わず全部捨てて、やり直してください。

8月のハーブスタンドの様子

富士北麓は夏真っ盛り。木々が深い緑に包まれ、森には清々しい空気が漂います。この頃になるとホップも青々と実り始めます。収穫したての生ホップをビールに合わせると、森を吹き抜ける風のような爽やかで華やかな香りを楽しめます。