桂二葉さんの検査結果は?人気落語家と学ぶ、血液検査にまつわるハナシ。

寄席にテレビに引っ張りだこの人気噺家が、血液検査を体験レポート。疲労や睡眠、肝臓まで、気になる数値から不調の正体を解明します!

text: Ryo Ishii photo: Eiri Motoyoshi, Chihiro Kihara

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血液検査をする落語家・桂二葉さんの様子
Profile

桂二葉(かつら・によう)/1986年、大阪府生まれ。上方落語家。2011年に桂米二に入門。2021年『NHK新人落語大賞』では女性で初めて大賞を受賞。明るい声と飾り気のない性格が魅力で、全国の独演会は連日即完売するほど。

由井俊輔(ゆい・しゅんすけ)/上野御徒町こころみクリニック院長。千葉県生まれ。日本医科大学卒業後、2022年より同クリニックで院長を務める。日本内科学会認定内科医・日本血液学会血液専門医。

血液検査に向かう様子

2021年秋の『NHK新人落語大賞』で、全審査員が満点をつけて大賞を受賞。今やチケットが取れない人気落語家の桂二葉さん。独演会の開催は年1回程度の落語家が多いなか、二葉さんはなんと週に1回。去年は週4回こなす時期もあったという。多忙な日々を送っているからか、やはりカラダの悩みは多いようで。

「お休みは作っているんですけど、ずっと落語が頭にあって、なかなか休まらない。いろいろ考えて寝つきが悪かったり、朝起きても疲れが残っていたり。自律神経の働きも乱れやすく感じています。最近は、落語から逃げられへん夢をよく見ます(笑)。何百人の目が私に向いていると思うと、結構なパワーを使うんですよね」

高座ではずっと正座でいるため、下半身の血流不足といった職業病も心配だ。

自身のカラダをいたわるために、月に一度は漢方医に通う。鞄には漢方薬やサプリ、置き鍼まで常備しているという。

「泊まりの仕事で持って出るのを忘れると不安になるくらい。カラダが資本ですからね」

健康には人一倍気を配る二葉さんだが、「あともう一つ気になるのが肝臓なんです」とポツリ。

「4年ほど前までは、よく朝まで飲んでいて、さんざん酷使したんです。仕事に響くしカラダにも悪いから、今はきっぱりやめましたけどね」

そんな自分の悩みを解明したい、と二葉さんがやってきたのは、上野・御徒町にある〈こころみクリニック〉。血液内科を専門とする由井俊輔院長を筆頭に、血のスペシャリストが多数在籍するクリニックだ。

「血液を見れば、さっきお話ししたような、自分が気になる数値のことも分かるんでしょう? 検査結果が楽しみです」

最近の二葉さんは……

桂二葉さんの落語をしている様子

  • 月4回ほどは公演のために日本各地を行ったり来たり。
  • 健康に気を使うようになり、漢方薬やサプリもまめに摂取。
  • これまで健康診断はほとんど受けたことがなく、実際の数値は自分でも予測不能。

データから見る、二葉さんの健康度。

桂二葉さんの血液検査の様子

気になる数値は? ドキドキしながら診察室へ。

待つこと2日。由井先生のもとを訪れ、検査結果とご対面。開口一番、二葉さんが尋ねた。

二葉
先生、どっか悪いところはありましたか?
由井先生
安心してください。ほぼ全項目が正常値で、非常に健康な状態です。気にされていた肝機能を示すASTやALT、γ-GTPなども全く問題ありません」

桂二葉さんの血液検査の結果

二葉
あぁ、安心しました。
由井先生
深酒を続けると脂肪肝や肝硬変へ進行するリスクがありますが、一時的な肝臓のダメージなら、きっぱり断酒して数年経てば数値は改善するんですよ。
二葉
あと、少し気になっていたのが栄養面で。去年、特に忙しかった時期に体重が落ちてしまったので、お肉やお魚、チーズなどからタンパク質を摂るようにしているんです。ちゃんとカラダの栄養になってますか?
由井先生
総蛋白(TP)の数値も正常なので、きちんと栄養が摂取できている証拠です。ただ、強いて気になるところを挙げると、中性脂肪が少し低めですね。
二葉
低いとマズいんですか?
由井先生
いえ、悪いことはありません。ただ、極端に下がると代謝異常の疑いが出てきます。今は代謝を司る甲状腺ホルモンも正常なので、大丈夫ですよ。

由井俊輔先生の診察室での様子

もうひとつ彼女を悩ませるのが、慢性的な疲れと自律神経の乱れだ。

二葉
健康なのに、最近疲れが取れない原因は何でしょう?
由井先生
少し気にしておきたいのはフェリチンです。体内に蓄えられた鉄の量を示すのですが、今回は16.1。正常範囲内とはいえ、理想値の25〜50より少し低めです。
二葉
鉄分不足ですか? 貧血の自覚はないんですけどね
由井先生
女性は生理で鉄分が失われやすく、隠れ貧血になりがちです。鉄不足は酸素不足を招き、疲労感や自律神経の乱れに繫がります。また、他の原因として睡眠時無呼吸症候群の可能性もあります。

桂二葉さんが診察室にいる様子

二葉
えっ! 肥満の人がなりやすいイメージでした。
由井先生
顎が小さい日本人女性には意外と多いんですよ。低酸素状態を補うために赤血球が増えると多血症になり、血液がドロドロになることもあるので注意です。

とはいえ、今回の検査ではほぼ正常値の範囲内。先生のお墨付きをもらった二葉さんだが、これから年齢を重ねていくごとに、必要な検査が増えていくという。

由井先生
今の生活を維持しつつ、年齢的には胃カメラや大腸カメラ、胸部CT、腹部エコー、子宮・乳がん検診など、定期的ながん検診を併用するのがおすすめです。
二葉
健康だと過信せず、定期的にカラダの中を覗いてみることが大切なんですね。