ジムトレ派のための「効率的・全身トレ4種目」

最新の研究に基づいた科学的な筋トレを推奨するパーカーフィットネス氏とともに、ビギナーでも取り組みやすい超効率メニューを作成。今回はジムトレ中心派のためのウェイト(ダンベル、バーベル)を使用した4種目でのメニューを紹介する。

取材・文/神津文人 撮影/山城健朗 ヘア&メイク/天野誠吾 スタイリスト/高島聖子 取材協力・エクササイズ監修/パーカーフィットネス

初出『Tarzan』No.819・2021年9月22日発売

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パーカーフィットネス氏

パーカーフィットネス氏

教えてくれた人

自身の経験から、筋トレで努力している人が時間もお金も無駄にしないための正しい情報を発信したいとYouTubeを始める。サプリメントやおすすめの筋トレメニューなどがエビデンス豊富に語られる。

トレーニング方法

ジムトレに精を出している皆さん、いつもどのようにメニューを組んでいるだろうか。実はブロスプリットとも呼ばれる背中、脚と細かく部位を分けて、それぞれを別の日に行うトレーニングは、効率的ではないことが研究で明らかになっている。

また、筋肉の合成期間を考えると、各部位のトレーニングは週2回が望ましいという説もあるが、実はこれも科学的根拠に乏しい。

「最新の研究によると、高頻度でトレーニングを行い、各筋肉1日で行うセット数を少なくすることが最も効率的だと示されています。

そのため、ボディビルダーのジェフ・ニパード氏とエリック・ヘルムズ博士が高頻度の全身トレーニングを推奨しています。1日に同じ筋肉を10セットも行うことは疲労の蓄積により効率的ではないのです」と、パーカーフィットネス氏は言う。

下記で紹介する4種目をベースに、なるべくボリューム(重さ×回数の総負荷量)を稼ぎ、余裕があればEZカールやケーブルプッシュダウンなどで上腕二頭筋上腕三頭筋を鍛えよう。

高重量・低回数、低重量・高回数のどちらでも筋肥大は可能だが、持ち上げられる重さの増加は、筋肥大、筋力アップの指標にしやすい。また、筋肉の成長には、少しずつ負荷を高め続ける必要があるというプログレッシブオーバーロードの原則がある。バリエーションをつけて、トータルのボリュームを増やすのが理想的だ。

ジムトレ派のトレーニングメニュー

ジムトレのメニュー組み

休養を入れる場合は週3回で各7セットを目指す。1回当たりのセット数を減らすならトレーニングを高頻度にし、各3〜4セットで週20セット以上行う。

ジムトレのメニュー組み

曜日ごとにメイン種目を変えながら行う。高重量・低回数と低重量・高回数をミックスしていい。脂肪燃焼目的でランやHIITを入れる場合は、火曜日と土曜日に。

守りたい4つのルール

自体重トレの場合も、ジムなどで行うウェイトトレ(ダンベル、バーベルなどを使用した筋トレ)の場合も共通する4つのルールを確認しよう。

重さを欲して反動を使うのはNG

重さを欲して反動を使うのはNG

自分の成長を実感したいがために、または周囲の視線を気にして、少しでも重たいバーベルやダンベルを扱いたくなるもの。

しかし、そのために反動を使ったり、狭い可動域でトレーニングを行えば、効果は小さくなる。正しいフォームで丁寧に行うのが、大きく強くなるための近道。焦りは禁物だ。

可動域を十分に使って鍛えるべし

可動域を十分に使って鍛えるべし

回数や重量を稼ぐために、可動域を限定してトレーニングを行っている人がいるかもしれないが、筋肥大にとって効果的ではない。

ターゲットの筋肉を十分に伸ばして縮める、可動範囲をフルに使うのが効率的なトレーニング法だ。可動範囲をフルに使うのがキツいのなら、扱う重量を軽くしよう。

関節のロックはケガに繫がらない
関節のロックはケガに繫がらない

関節のロック。プッシュアップやベンチプレスでいえば、肘を伸ばし切った状態は、ケガに繫がる、負荷が逃げて効果が落ちるといった説があるが、いずれも科学的な根拠は乏しい。

関節のロックといわれる、肘や膝を伸ばし切った状態まで可動域を使った方が筋肥大にとっては効果的。

しっかり休んで次のセットに挑む
しっかり休んで次のセットに挑む

インターバルを短くすると、筋肉のパンプ感やキツさが増し達成感も得られるが、ボリュームが減っては元も子もない。

スクワットなどのコンパウンド(多関節運動)種目なら3分、リアレイズなどの(単関節運動)種目なら2分のレストを取りたい。リカバリーが不十分だと感じたら長くしてもOK。

実践!ジムトレ派のための4種目

① スクワット

スクワット

ターゲットは、大腿四頭筋と大臀筋。足幅は1歩分程度で、広げすぎないように注意する。しっかりと深くしゃがむことを意識して行う。

② ベンチプレス

ベンチプレス

ターゲットは大胸筋と三角筋前部。手幅はあまり広げすぎないように注意。胸にバーが当たるまで引きつけ、挙上するときは肘を伸ばし切る。

③ デッドリフト

デッドリフト

ターゲットは、背中、ハムストリングス、大臀筋。軽い重量で構わないので丁寧に上げる。フォームが崩れると腰痛などの原因になる。

④ リアレイズ

リアレイズ

ターゲットは背中、三角筋後部。ダンベルは、手の甲が外側になりシャフトが前後を向くニュートラルグリップで持つ。もちろん反動は使わない。